EK004-カクレクマノミの飼育 - 小型水槽だと費用はどのくらい?難易度は?

映画『ファインディング・ニモ』で一躍有名になったカクレクマノミですが、その可愛らしい外見と独特な泳ぎ方で、

「ニモ買って~!」

なんてお子さんにせがまれた経験のある方も多いのではないでしょうか?

そこで、この記事では「は~い!買ってあげますよ~!」と優しく応えてあげたい方の為に、実際に飼うのに用意したい設備とその費用について、またどこに気を付ければ良いか?などを簡単にご紹介させていただきます。



カクレクマノミとは?

カクレクマノミ

スズキ目 – スズメダイ科 – クマノミ亜科

まずは『カクレクマノミ』って、どんな魚なのか?という所からご説明します。

イソギンチャクと共生する

縄張り争いの激しいスズメダイ科の魚で、イソギンチャクと共生する事で有名な『クマノミ』の仲間です。

イソギンチャクと言えば、他の魚を触手で捕まえて食べてしまうイメージがありますが、その触手の毒にやられない特殊な粘液を身にまとっているおかげで、クマノミはイソギンチャクに食べられません。

イソギンチャクは飼育が難しい

カクレクマノミは、自然界ではハタゴイソギンチャクとよく共生していますが、ハタゴイソギンチャクの飼育は難易度が『超』高いので、初心者の方にはオススメ出来ません。

そもそも、イソギンチャクの飼育自体がけっこうハードル高いので、もし「どうしても!」というのでしたら、他のイソギンチャクでもある程度時間が経てば共生してくれる場合も多いので、そちらをオススメします。

思い切って、カクレクマノミ2匹だけ飼う

この記事では、「気楽にカクレクマノミの飼育を始めたい」というコンセプトのもと、生体を健康に保って長期に亘って飼育出来るように、思い切ってカクレクマノミを2匹だけ飼う事を前提として、準備について解説していきます。

他にも一緒に飼いたい生体が居る場合、その分、器材を増やしたり大型にしないといけなくなったり、あるいは水槽システム自体を見直す必要が出てくる事にもなりかねません。

ですので、この記事では「カクレクマノミを2匹だけ飼う」という事にします。

カクレクマノミを飼うときに必要なもの

まず最初は難しいイソギンチャク無しで飼い始め、慣れてきたらイソギンチャクを導入するというパターンで考えたいと思います。

45cm キューブ水槽

45cmキューブ水槽

決して「コスパ最高!」とは言えないですが、45cm キューブ水槽(45cm x 45cm x 45cm)は、水量がそこそこ確保出来てかつ、お手軽感があるのでおすすめです。

上の写真は、アクロというメーカーから出されている45cm キューブ水槽ですが、ガラス製でガラス厚8mm ですので、そこそこ丈夫と思います。

だいたい10,000円程度で購入可能です。

なお、「コスパ最高!」を狙うのでしたら、もっと安い60cm 規格水槽(60cm x 30cm x 36cm)がありますが、こちらは45cm キューブ水槽より水量が少なく、あまりおすすめできません。

意外にも思えるかも知れませんが、

● 45cm キューブ水槽(約10,000円):81リットル
● 60cm 規格水槽(約4,000円):56リットル

なので、これだけはケチらないで45cm キューブ水槽にしてください。

もし設置場所が許すのでしたら、60cm ワイド水槽(60cm x 45cm x 45cm)という選択もアリです。

お値段は45cm キューブ水槽より少し高めのが多いですが、探せば10,000円程度のものも有りますし、ここまで来ると水量も108リットルと充分なので、失敗するリスクがかなり減ります。

60cm ワイド水槽だったら、ユッタリしてて嬉しいな~!

外掛け式フィルター?プロテインスキマー?

外掛けフィルター?プロテインスキマー?

海水魚飼育ではもはや「当たり前の装備」とさえ言われている『プロテインスキマー』ですが、さすがに45cm キューブ水槽などの小型水槽には大げさな感じがしそうです。

外掛けフィルター

この記事を書いている現在(2020年4月)で最大の外掛け式フィルターは、コトブキというメーカーから出されている『プロフィットフィルター Big』という製品です。

メーカー推奨で「60~110リットルの水槽」と謳われていて、本体のサイズが幅28.5cm なので、45cm キューブ水槽にも使えます。

気になるお値段ですがだいたい、3,000円くらいです。

ですがまず何より、外掛け式にしろ何しろ、「フィルターで濾す」方式の濾過装置では、最終的に硝酸塩が大量発生してしまいます。

この硝酸塩が『クセモノ』で、将来的にに飼育において一番の『鬼門』になってしまいます。

いちおう、硝酸塩もボクらにとっては毒なんだからね~!

なので、硝酸塩を積極的に除去する工夫をしていかないといけませんが、そのリスクを敢えて負うというのでしたら、この外掛け式フィルターの選択もアリでしょう。

『フィルター式濾過装置』の致命的な問題点について詳しく書いた記事がありますので、興味のある方はこちらをご覧ください。

海水魚水槽に強力な濾過装置を入れると水換え頻度が増す

プロテインスキマー

これに対し、最近はプロテインスキマーには小型のものが出回るようになり、逆に小型水槽愛好家にとって追い風にもなってきてます。

QQ-1

上の写真は、ゼンスイというメーカーが出している『ナノスキマー QQ1』という商品で、上で述べさせていただいた『外掛け式フィルター』と同じく、水槽の縁に引っ掛けて使えるお手軽なものです。

気になるお値段ですが、だいたい18,000円台です。

他にも色んな製品があるので、興味のある方はこちらを御覧ください。

【海水魚飼育】小型水槽におすすめのプロテインスキマー

ただし、このプロテインスキマーの濾過能力は製品名に「ナノ」が付く小ささのため、あまり多くを期待出来ません。

なので、『水槽に入れる生体もカクレクマノミ2匹だけ』という制約が入ってしまいます。

ボクら2匹だけだと寂しいけど、ガマンも大切だよね~!

それでも不足した濾過性能は、後述する『ライブロック』で補うようにします。

また、この濾過装置自体は硝酸塩を除去出来ないので、これも後述する『ライブロック』や『硝酸塩吸着剤』を使って対処するようにします。

ライブロック

ライブロック

海水魚飼育の未経験の方は「?」となってしまいそうですが、水槽のレイアウトにおいてとても重要な役割を持っているものですし、濾過の『要』ともなりますので、是非揃えてください。

『ライブロック』とはその名の通り、「生きた岩」ですが、簡単に言ってしまうと、『海底から持ってきた岩』です。

海に潜った経験の有る方、もしくは水族館に行かれた事の有る方でしたらご存知と思いますが、海底にある岩には、色々なものが付着しています。目に見えるものとしてはサンゴやイソギンチャク、海藻・海草やカイメンなど多種多様ですが、目に見えないものも例えばバクテリアも沢山棲み着いてます。

このバクテリア達が水質浄化に大変役に立っていて、言ってみれば、自然界の海水は海底にある無数の『ライブロック』の浄化能力のおかげで浄化されている、と言っても過言ではありません。

この『ライブロック』を水槽に入れれば、自然界の浄化能力とともに、レイアウト次第では、まるで海底から切り取ってきたような光景を水槽内に再現することも出来ます。

ショップやネットでも購入出来ますが、重要なのはその『品質』で、上の写真のような、パープル系の色がついたものが良いので、購入前によく確認する事をおすすめします。

値段は品質により様々ですが、一般的には良質のもので、キロあたり3,000円で売られている事が多いです。

そして「どのくらいのライブロックを入れるか?」についてですが、一般的には水量(リットル)を10で割った数が入れる量(kg)の目安と言われています。
※ 例:81リットル(45cm キューブ水槽)の場合 → 約8kg

とはいえ、これは最低限の量なので、レイアウトや求められる濾過能力によってはもっと必要になるので、後述する水質管理の結果を参考に、もっと増やすか?などの検討も考えておいてください。

ライブロックは多めに入れてくれると嬉しいな~!

とりあえず、初期投資としてのライブロックのお値段はトータルでおよそ、24,000円(およそ8kg の場合)となります。

なお、ライブロックの設置について細かく書かれた記事がありますので、詳細はこちらを参照ください。

→ 【ライブロック】失敗しない選び方は?キュアリング法やおすすめのレイアウトも紹介!

水質管理用デバイス

まず最初に、海水魚の飼育で必ず確認しておきたいものとしては、

1)硝酸塩
2)リン酸塩
3)ケイ酸塩

の、3種類の成分があります。

これらを定期的に測って水質を確認し、生体が求める水質を維持するのが、水槽内の生体を健康に保てる秘訣ですので、怠らずにやってください。

硝酸塩・リン酸塩除去剤

 

NO3:PO4-X

硝酸塩とリン酸塩は、上の写真の『NO3:PO4-X』で処理出来ます。

気になるお値段は、500cc 入りで3,000円弱です。

レッドシーというメーカーが出しているこの『NO3:PO4-X』という商品は、硝酸塩・リン酸塩を処理してくれるバクテリアのエサとなる炭素が主成分です。

フィルター式濾過装置を設置した水槽の場合、水槽内のエサの食べ残しや魚のフンなどが分解され、まず最初にアンモニアとなり、それが分解されると亜硝酸、さらに分解されて硝酸塩となり、通常は蓄積されていきます。

いっぽう、自然界では圧倒的に多いライブロックに棲み着いたバクテリア達のおかげで、硝酸塩さえも分解されて、蓄積されません。

水槽内では、ライブロックを入れられる量が限られていて濾過が間に合わないため『濾過装置』が必要であり、この記事では硝酸塩を発生させない小型プロテインスキマーを推奨してます。

しかし、プロテインスキマー自体は硝酸塩を発生しませんが、何らかの原因で発生した硝酸塩は除去出来ないため、この『硝酸塩・リン酸塩除去剤』の力を借りる事になります。

ケイ酸塩について

確かにケイ酸もコケの発生の元凶となる成分ですが、その発生源は水道水です。

水道水の他にも、ボトルで売られている『ミネラルウォーター』にも入ってますので厄介ですね。

そこで4つ選択肢があります。

RO/DI 浄水器で水道水から『純水』を作り、人工海水と混ぜて使う

クロノスレイン

昔からマリンアクアリストの間では、

「RO/DI 浄水器で純水を作るのが当たり前」

と言われて来ましたが、昔の製品は純水の生産能力が極端に低く、必要な水量を確保するために、RO/DI 浄水器を24時間稼働させて、巨大な純水用タンクに備蓄している方もいらっしゃいました。

上の写真は、Aqua geek から出ている『クロノスレイン』という製品ですが、昔の RO/DI 浄水器の問題を克服した素晴らしい製品です。

水道の水圧にもよりますが、4.2kg(60psi)の場合で、3時間に85リットルの純水を作る事が可能です。

※ 水圧が低い場合は加圧ポンプを取り付けることにより、同じ能力が得られます。

ただし、気になるお値段は40,000円弱です。

水槽の水量や水換えの頻度にもよりますが、よほど純水が必要でない限り、カクレクマノミの飼育を小型水槽から始める方には、この選択はあまりおすすめできるとは言えないでしょう。

近くのスーパーなどで『純水』を購入し、人工海水と混ぜて使う

最近どこのスーパーでも目にしますが、純水のサーバーを見かけた方も多いのではないでしょうか?

また、実際に利用されている方も多いと思いますが、この純水のサーバーは上記の RO/DI 浄水器の巨大版です。

いちど専用のボトルを購入すれば、好きなだけ汲めるので、いったんそのボトルで汲んでスーパーの駐車場でポリタンクに入れて、また店内の純水サーバーで汲んで駐車場に戻り。。。の繰り返しで、必要な水量の純水があっという間に準備出来てしまいます。

車が無い方には現実的ではないかも知れませんが、車があればアリではないでしょうか?

ただし、各店舗で使っている RO/DI 浄水器はまちまちで、純水の品質もバラバラですし、いい加減な衛生管理をしている店舗もあるでしょうし、その辺のリスクは承知してください。

純水はそもそも、水道水から逆浸透膜を利用して不純物を取り除いたものですが、カルキが除去されている事を考えると、衛生的に考えると長期保存は出来ないですし、RO/DI 浄水器や専用ボトルなどの衛生管理もシビアに影響が出て来ますので、個人で水質検査会社にデータを出してもらった方が懸命です。

なお、気になるお値段ですが、専用ボトルの相場は、平均すると5リットルので800円程度です。

ショップなどから天然海水を購入して使う

「車も無い、近くにスーパーも無い、まして RO/DI 浄水器を買うなんてムリ!」という方も多いのではないでしょうか?

そういう方には、天然海水がショップからネット通販などからでも入手出来ます。

例えば、石垣島の天然海水は20リットル入りで3,800円程度です。45cm キューブ水槽は81リットルなので、周辺機器にも海水を充填する事を考慮すると、約100リットル用意すれば問題なく、気になるお値段は19,000程度となります。

個人的には、この選択をおすすめしたいですね。

今の時代は天然海水だけでなく、純水も通販で手に入るから、足し水もオッケーだよ~!

※ いくつかのショップでは海洋深層水が売られていますが、これは栄養塩が濃すぎる傾向があるので、特にサンゴの飼育には不向きです。サンゴ礁の天然海水を購入するほうが理に適っています。

ケイ酸塩除去剤を使う

カミハタシリケイトリムーバーケイ酸塩除去剤は、カミハタというメーカーの出している『シリケイトリムーバー』が500cc 入りで1,500円弱でおすすめです。

ただし、ケイ酸塩は純水や天然海水を使っている場合、あまり問題にはならないので、水道水を使っている方の場合だけ除去する工夫が必要になってくると思います。

リン酸塩だけ増えてしまう場合

なお、「リン酸塩がどういうわけか増えて困る」という場合は、その対処法をご紹介します。

まず、長さ9cm ほどの鉄釘を1本、流れのある場所に置いてください。

場所はどこでも構いませんが、水槽内だと見苦しいので、濾過装置(プロテインスキマー)の中に入れるのが良いでしょう。

そして次の週もまた1本追加、そのまた次の日も1本。。。という形で、45cm キューブ水槽は約80リットルの水量ですから、4本になったら丁度よい塩梅になると思います。

※ 最終的に、20リットルにつき9cm くらいの鉄釘が1本くらいの割合になっているのが理想です。

サンゴ砂

アラガライブ

これは賛否両論で、「水槽の底には砂を敷いた方が良い」や、「いや、病原菌の巣になるから無いほうが良い」という意見まであり、初心者の方には

「どっちが正しいんだ?」

となってしまうと思います。

砂を敷かないメリットは非常に明快で、エサの食べ残しやフンなどが底に溜まると、すぐに目視で分かるので、掃除がしやすいという事です。

今回の記事では割愛してますが、底砂を撒き散らすハゼなども一緒に飼う場合、砂が舞って大変な事にもなるので、あらゆるリスクを排除するという意味で、「砂は敷かない」という選択があるのです。

いっぽう、砂を敷くメリットは、砂の表層では好気性バクテリアがアンモニア~硝酸塩までの処理を行ってくれて、深い層では嫌気性バクテリアが硝酸塩の処理を行ってくれるという、いわば自然界の『完全濾過装置』の役を果たしてくれるのです。

ただし、砂の中はそういう有益な微生物達だけが棲んでいるわけではなく、例えば白点病の原因となる白点虫のシスト(ネバネバしたゼラチン状の厚い膜で被われた状態)は砂の中に潜んでいて、ハゼが砂を巻き上げた時に水中に仔虫が放出されるなど、歓迎できない問題も起こり得ます。

白点病は、ボクらが元気だったら罹らないんだけどね~。。。

しかし、私個人としてですが、そもそも底に何もないのは「自然界から切り取ってきたような景観」とは違うと思うので、違和感があるという事です。

ライブサンド

そして、一般的には「サンゴ砂」というとサラサラ乾いたものを指しますが、これとは違い、しっとり濡れたものが売られています。これは砂に海水を染み込ませたもので、有用なバクテリアが足されている『ライブサンド』と呼ばれるものです。

上の写真のものは、ただのサンゴ砂にバクテリアを足しただけの、普通のライブサンドではなく、アラゴナイトという砂を使ったライブサンドで、カミハタという会社が出している『アラガライブ』という商品です。

アラゴナイトは太古の貝や海藻などの化石で、製造元のカリブシー社のアラゴナイトは、やわらかい結晶構造でとても溶けやすいため、バクテリアの棲み処となるだけでなく、サンゴや魚の生育に必要な微量元素とミネラルを安定供給することができるというメリットがあります。

45cm キューブ水槽でしたら、9kg 入で約4,000円で厚さ4~5cm に敷けます。

照明器具

ゼンスイマルチカラーLED450

イソギンチャク無しの場合は「何でも良いですよ!」で終わってしまいますが、いずれイソギンチャクを導入する時に改めて買い直すのもナンですから、後々の事を考えてイソギンチャクを導入しても困らないものにしましょう。

上の写真のものは、ゼンスイという会社が出している『マルチカラー LED 450』という商品で、リモコン操作で好みの明るさや色合いなど自由に調整出来ます。

気になるお値段はおよそ、9,000円弱です。

カクレクマノミが繁殖するには、イソギンチャクが必要となってきますが、今後導入したイソギンチャクが自然界に居た場所の光を再現してあげる必要があるので、ただ単純に「イソギンチャクにはこのぐらいの光量・色温度がいい」とは言えません。

このマルチカラー LED をおすすめしている理由は、まず安い事です。

他の『本格的』と言われているメーカーの製品はどれも20,000円以上しますので、その半額以下で入手出来るところが、我々消費者には優しいと思いませんか?

確かに値段だけ見ると、1万円近くするので「高いな~」と思われた方もいらっしゃると思いますが、照明の色を自在に変えられるなど、これほどコスパの優れた製品はなかなか無いのでおすすめです。

ヒーター&サーモスタット

ヒーター&サーモスタットには、大きく分けて、

1)一定の温度設定が出来ているオートヒーター
2)サーモスタット内蔵型のヒーター
3)サーモスタット別体型のヒーター

このうち、1)と2)はサーモスタットがヒーターに内蔵されていて、なおかつ1)は設定温度(通常は26℃)から変える事が出来ないので、飼える生体に合わせる事が出来ません。

2)は、ヒーターの中にサーモスタットが内蔵されているので、余計なコードが無くスッキリとした外観となります。

とはいえ、実のところ、ヒーターとサーモスタットの寿命はけっこう違うのです。

どちらかと言うと、ヒーターが1~2年で壊れるのに対し、サーモスタットは4~5年はもつ感じです。

ですから、まだサーモスタットが壊れてなくても、ヒーターが壊れれば、ヒーター&サーモスタットまとめて交換という事になりますので、経済的とは言えません。

3)はコンベンショナルなヒーターセットです。

GEX ヒーター&サーモスタット 220w

ヒーターが壊れたらヒーターだけ交換、サーモスタットが壊れたらサーモスタットだけ交換といった対応が出来ますし、もし使っている間にヒーターの容量不足を感じたらヒーターだけより強力なものに交換するという芸当もこなせます。

なお、気を付けないといけないのは、例えばよく動きまわるセンジュイソギンチャクを入れた場合など、このヒーターに接触して火傷してしまうという事故も起こるので、ヒーターには必ずカバーを取り付けた方が良いです。

ボクらが触ってヤケドしないように、カバー付きを用意してね~!

上の写真は、ジェックスという会社が出しているヒーター&サーモスタットのセット、『セーフカバーナビパック 220』という製品で、45cm のキューブ水槽の水量には充分な容量です。

お値段は約5,000円弱です。

この記事ではヒーターを水槽内に入れてしまう事を前提でお話してますが、「ヒーターが入ってると見苦しい」など、水槽の外に設置したい方もいらっしゃると思いますが、その場合は『インラインヒーター』という選択肢がありますが、DIY で作るか、高価なものを購入する事になってしまいます。

今回は45cm キューブ水槽ですので、その場合は後述する方法を参考にしてください。

クーラー

ZR-mini

カクレクマノミは比較的高水温にも耐えられますが、イソギンチャクは耐えられません。

ですので、最初からクーラーを設置した方が良いとは言いませんが、出来るなら揃えていただいた方が良いです。

夏を迎えるまでには用意してよね~!

なお、各メーカーから色々なタイプ・大きさのクーラーが出ていますが、クーラーは余裕のあるものを選びたいです。

上の写真のものは、ゼンスイという会社が出している『ZR-mini』という製品です。

気になる価格は約45,000円です。

クーラーには、大まかに言って、『ペルチェ式』と『チラー式』がありますが、そのうちの『チラー式』になります。

ペルチェ式はコンパクトで音も静かですが、冷却性能が低すぎて、水槽を置いた部屋が、真夏の締め切ったなかで、エアコンを切る事があるのでしたら、間違いなく容量不足です。

部屋用のエアコンもいまだに冷媒式ですので、ペルチェ式がいかに能力不足なのかわかると思います。

ただし、このチラー式クーラーは、部屋用のエアコンと違って冷媒を圧縮したり熱交換する装置を部屋の外に置いたりしないので、コンプレッサーの作動時の騒音はかなりのレベルです。また、構造上、部屋の中に熱風を吐き出す事になるので、それらが気になる方にはかなり厳しい選択となるかも知れません。

生体の健康を優先するか、QOL を優先するか、ですが、そこはおまかせします。

通水ポンプ

エーハイム エコ コンフォート2232

なお、クーラー自体にはポンプが付いてないので、クーラーが自力で通水させることは出来ません。

そのため、通水ポンプか、それに代わるもので水槽の水を汲み上げて、水槽の下にあるクーラーに水を通し、クーラーからまた水槽に戻してあげないといけません。

今回はポンプではなく、外部濾過器を通水ポンプの代わりに使ってみたいと思います。

この先、もし硝酸塩やケイ酸塩・リン酸塩が増えてどうしようも無くなって来た場合に、吸着剤などを入れる入れ物としても使えるので、ただのポンプを使うよりおすすめです。

なお、今回はヒーターを水槽内に設置することにしてますが、これを『インラインヒーター』にする場合も、外部濾過器を改造すると良いので、非常に汎用性が高いです。

水質管理用品

水質の管理項目は、

1)海水の比重 – A
2)NH3(アンモニア)- B
3)NO2(亜硝酸)- B
4)NO3(硝酸塩)- B
5)PO43-(リン酸塩)- C
6)SiO32-(ケイ酸塩)- D
7)pH(ペーハー)- B
8)KH(炭酸塩硬度)- B

といった8種類の数値を管理しましょう。

これらは次の4種類の商品で確認出来ます。

A:Aqua geek 塩分濃度屈折計 LED:4,500円

aquageek 海水比重計

簡易的な比重計(ボーメ計や目盛り型)もありますが、精度に難アリなので、大切な比重をチェックするには光学式のリフレクトメーターしか選択肢はありません。

以前は Red Sea 社の『シーウォーターリフレクトメーター』一択でしたが、11,000円もしたので正直、「ハードル高いな」と思ったものです。

上の写真は Aqua geek の『塩分濃度屈折計 LED』という製品ですが、その半分以下の価格で高性能を維持しています。

比重はきちんと正確に測れるようにしてね~!

この値段であれば初期投資する気にもなりませんか?(笑)

B:Red Sea マリンケア マルチテストキット:7,200円

RedSea マリンケア マルチテストキット

非常にコスパの高い製品で、精度も申し分ないのでおすすめです。

他にも、他社から『試験紙タイプ』のものが出回ってますが、こちらはあくまで目安程度にしか出来ない精度ですので、オススメ出来ません。

なので、非常に重要な項目をほぼ完璧にカバー出来ていて、なおかつ精度も充分高い『マリンケア マルチテストキット』一択です。

ただし、PO43- と SiO32- はカバーしてないので、他社製品のキットを利用します。

C:sera PO4 テスト:2,400円
D:sera SiO3 テスト:3,000円

sera PO4 SiO3 test

PO43- と SiO32- がセットになった測定キットが無いので、バラバラで購入するしかありません。

上の写真は、sera というメーカーが出している『PO4 Test』と『SiO3 Test』という測定キットです。

魚だけの飼育ですし、最初は天然海水を使うので、水質に大きな問題が出る事も考えられないので、これら『PO4 Test』と『SiO3 Test』という測定セットは最初からは要らず、少なくとも

・Aqua geek 塩分濃度屈折計 LED で
1)海水比重

・Red Sea マリンケア マルチテストキットで
2)NH3(アンモニア)
3)NO2(亜硝酸)
4)NO3(硝酸塩)
7)pH(ペーハー)
8)KH(炭酸塩硬度)

をチェックするようにしてください。

水槽装置の組み立て

これまで長々と紹介・説明させていただきましたが、水槽装置の組み立ての一例をご紹介させていただきます。

クーラーの導入を後回しにする場合

いきなり「クーラーも導入しよう!」と言われても、初期投資額が高騰してしまうのも否めませんが、夏になって暑くなる前までにどれだけの『クーラー資金』を用意しておけば良いか、考えてみましょう。

下の図は水槽装置全般の簡略化したものですが、クーラーと外部濾過器の合計、54,000円が『クーラー資金』として必要です。

カクレクマノミ飼育初期セット

装置代総額は、『クーラー資金』を抜いて70,200円となります。

そして天然海水は19,000円といった所です。

そして、水質チェック用品の総額は、初期に絶対外せないもので11,700円、その後は追々追加していく事を忘れずに!

この『クーラー資金』を夏までに捻出してクーラーを導入するという条件で、初期投資額は100,900円となります。

その後、夏までに54,000円を捻出するようにしましょう。

【装置価格概要】
※ 定価ではなく、市場価格からおおよその額を示しています。価格は季節によって変動するものですので、正確な額はネットで確認してください。

【装置など】
・水槽:アクロ N45 キューブ:10,000円
・プロテインスキマー:ゼンスイ QQ1:18,000円
・照明器具:ゼンスイ マルチカラー LED 450:9,000円
・ライブロックスタンド:DAIM ここダメシート:200円
・サンゴ砂:カミハタ アラガライブ 9kg:4,000円
・ライブロック:養殖もの 8kg:24,000円
・外部濾過器(通水ポンプ):エーハイム エココンフォート 2232:9,000円
・クーラー:ゼンスイ ZR-mini:45,000円
・ヒーター&サーモスタット:ジェックス セーフカバーナビパック 220:5,000円

【海水】
・天然海水 100L:19,000円

【水質管理用品】
・海水比重計:Aqua geek 塩分濃度屈折計 LED:4,500円
・水質テストセット:Red Sea マリンケア マルチテストキット:7,200円

※ クーラー選定用総水量の計算
112L = 81L(水槽)+ 2L(プロテインスキマー)+ 18L(照明器具 1W = 1Lとして計算)+ 3L(外部濾過器 – 濾過槽容量)

クーラーも含めた全ての初期投資総額は、154,900円となります。

もう少し安く出来ないのかな~?

他のサイトではもっと少額で済むような事が書かれているかも知れませんが、「安物買いの銭失い」となる事必至なので、ちゃんとしたものを購入して、トラブルのリスクを抑えるようにした方が、あとあとストレスになるので、「急がば回れ」といった所でしょうか。

カクレクマノミは、どこで手に入るの?

映画の影響で人気が高くなり需要が増えた事と、稚魚が比較的大きいのでエサが確保しやすく、繁殖させるのも比較的容易なため、入手は難しくないです。

海水魚を扱っている熱帯魚店であれば大抵売ってますし、ペットショップ、ホームセンターでも入手することができますし、通販でも入手可能です。

ちなみに、販売されているカクレクマノミには、国内で繁殖されたもの(CB)と、自然の海で採取された野生のもの(WD)がありますが、値段はどちらも1,000円もしない程度です。

とはいえ、ペアとなると7,000円近くしますので、お財布と相談という事になりますね。

ボクらにも相性があるから、必ずしも2匹がペアになるとは限らないからね!

飼育までの流れ

いきなりカクレクマノミを買ってきて、慌てて水槽や底砂を買ったりする方はいらっしゃらないと思いますが、海水魚飼育には、まず準備が揃って、生体を受け入れる準備が整ってから生体を購入する、という流れが重要である事をご理解ください。

水槽の設置

当たり前と言われてしまいそうですが、まず最初にやることは、水槽などの器材の設置です。

キャビネットの準備

理想を言うと、水槽専用のキャビネットがあると良いのですが、水槽はテーブルの上に置いても構いません。

ただし、81リットルの水(81kg)と照明器具などの周辺機器や、底砂(9kg)、ライブロック(8kg)なども入るので、およそ100kg の重さのものを載せる事になります。

その重量でも問題なく置ける丈夫さが最低限必要ですし、地震があった時の揺れでもその重量をしっかり支えられるものが求められるので、簡素なテーブルでは危険すぎます。

専用のキャビネットなら安心!

水槽の設置

地震で水槽がキャビネットからズレ落ちないように、水槽の下に滑り止めのマットを敷きます。

その上に水槽を置きますが、水を入れる前に、設置場所が本当に問題ないのか、よく確認してください。

水を入れただけでも81kg にもなるので、いったん水を入れたらもう二度と動かせません。

無理に動かそうとすると割れたり水漏れの原因にもなるよ!

サンゴ砂・飼育水の導入

ドライのサンゴ砂だと、導入する前に、お米と研ぐような要領で、かなり洗うようにしないといけませんが、『アラガライブ』は逆に洗う必要がない(洗ってはいけない)ので、かなり手間が省けます。

最初からバクテリアも付いているので、水槽の立ち上げ(魚を導入する準備)も早く出来るのも良いですね。

ここダメシートの設置

サンゴ砂を敷く前に、『ここダメシート』を好きな形に切って、ライブロックを置く場所に設置します。

土台となるライブロックは通常、2~3個なので、ここダメシートも2~3個設置すると良いでしょう。

サンゴ砂の導入

その後、サンゴ砂を敷きますが、敷く砂の厚さが均等になるようにならしてください。

砂の厚さは、ここダメシートの先端が砂から少し出る程度が良いです。

もしここダメシートの先端が砂に埋れてしまうなら、ここダメシートを少し浮かして高さ調整をするといいよ!

飼育水の導入

『ここダメシート』、『アラガライブ』を導入し終わったら次は飼育水の導入ですが、この記事では天然海水を使うことにします。

この天然海水は、ライブロックを購入したショップでもいいですし、生体や活餌を扱っているショップなどでもそれぞれの『こだわり』の商品が入手出来ますので、色々探してみて、「ピンッ!」とくるものがあったら購入してみましょう。

ちなみに、『純水』を扱っているショップもありますので、人工海水にこだわるのでしたら、その方面から入手するのもアリだと思います。

水はバケツから「ドバ~!」っと入れてしまうと、底砂が舞ってしまうので、底砂の表面にビニールシートを被せて、その上に水を入れるようにしましょう。

海水はあまり水槽の縁ギリギリまで入れてしまうと海水が飛び散り、『塩ダレ』の原因になるので、縁から5cm 程度は低い所に水面が来るように設定してください。

器材の設置

水槽の設置が終わったら、次に器材を設置していきます。

・外部濾過器は、水槽より下に設置してください。

・クーラーは、ゼンスイの製品の場合は前側から吸気して背面から排気するので、そこに遮蔽物を置かないようにしましょう。

・ヒーターは底砂から5cm ほどのスキマが空くように設置してください。

・魚が飛び出す事故を防ぐため、水槽には必ずフタをするようにしてください。

意外と小さい隙間からでも飛び出しちゃうから、ピッタリ隙間を埋めたフタがいいんだ!

ライブロックの導入

底砂に設置したライブロックスタンド(ここダメシート)の上にライブロックを置いていきます。

大きめのものを土台として設置して、その上に段々と小さいものを積んでいくようにするとレイアウトしやすいです。

納得がいくまで、何度でも組み直してみて、気に入ったレイアウトが決まったら接着剤で固定しましょう。

接着剤は何でも良いわけではなく、生体に無害なものを使う必要がありますし、いくつかのメーカーから出されてますが、使いやすいのもあれば使いにくいのもありますので、下にリンクの記事を参考にしてください。

→ 【ライブロック】失敗しない選び方は?キュアリング法やおすすめのレイアウトも紹介!

水質安定まで待機

通常、人工海水と乾燥サンゴ砂を使った場合は魚をお迎え出来る水質になるまでおよそ2週間ほどかかるものですが、今回は天然海水とライブサンド、そしてライブロックも導入してあるので、そこまで時間を要しません。

2~3日器材を動かしながら水漏れの問題など起こらないかチェックしておき、時々様子を見て、水質テスト用品で問題ない事が確認出来れば、すぐにでも魚たちを導入出来ます。

それが確認出来るまでは、ボクらを迎え入れるのは待ってね!

生体の導入

カクレクマノミは丈夫な部類の魚ですが、あまり急激な水質の変化には耐えられません。

そこで、水槽の飼育水に慣れるようにするため、『水合わせ』を行います。

やり方は簡単で、ショップで買ってきた、ビニール袋に入ったままの状態で水槽の水面に浮かべます。

それで30分~1時間程度放置すれば、水温は水槽の飼育水と同じになります。

次にそのビニール袋をいったん取り出し、袋の水ごと魚をバケツに入れ、3分の1程度水を捨てます。

水槽にエアチューブを入れ、サイフォンの原理でバケツの中にポタポタ滴下します。

少しずつ水槽の水が入っていく事によって、バケツの中の水が徐々に水槽の中の水質に近付いていきます。

そしてバケツの水をまた3分の1になるまで捨て、水槽の水を滴下する作業を3~4回繰り返します。

最後に、ボクらだけを優しく手のひらに乗せて水槽に入れてね~!

まとめ

お子さんの「ニモ飼いたい!」を具現化してあげるのも、経済的にも、労力的にも、そう簡単ではありません。

窮屈でエアコンも効いてない部屋に閉じ込められ、空気も死んだような環境で、あなたは快適に健康的に暮らし続ける事は出来るでしょうか?

ご自身が魚たちになった気持ちになって水槽設備の準備を検討してください。

1)クーラーは真夏になる前までには必ず準備する
※ 部屋のエアコンを一日中点けっぱなしの場合は例外とします。

2)天然海水・ライブサンド・ライブロックを使うと、立ち上がりが早い
※ 自然界に居るバクテリアが最初から必要充分なだけ導入出来るので、水質の安定が早くなる。

3)水合わせは慎重に!
※ 水質の急な変化は魚にとって命取りなので、水温を合わせてから水質をゆっくり時間をかけて合わせる。

4)水質管理は定期的・不定期に!
※ 例えば毎月末に全項目をチェック、週の1回、試験紙を使った簡易的な測定法を実施するなど。

5)初期投資費用は、クーラー無しで107,400円!
※ 水槽はスタイリッシュで意外と水量の稼げる45cm キューブ一択、その他出来るだけ硝酸塩の発生を抑えるためにプロテインスキマーを主濾過装置として導入します。

6)その後クーラーの追加費用は54,000円!
※ 性能的に、ペルチェ式クーラーではなく、冷媒式クーラー一択です。通水ポンプとして外部濾過装置を使います。

以上、カクレクマノミの飼育を、小型水槽では費用はどのくらいかかるのか?そしてその難易度についてご紹介させていただきました。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。