EK017-GTフィッシングでおすすめのリールはダイワとシマノどっち?安いリールは買うとヤバイぞ!

GT は、ルアーに食いついたら一目散に、自分の棲家の岩礁やサンゴ礁に向かって突っ走ります。

そして、GT が引っ張る力と、アングラーが耐える力が釣り合った瞬間から、『魚と人間の死闘』が始まり、それはアングラーが GT を水面まで引き寄せ、ルアーのフックを外し、リリースする瞬間まで繰り広げられます。

確かにこの『死闘』に使うタックルの主役は、GT を浮かす道具、ロッドかもしれません。

しかし今回は、そんなロッドの華々しさに隠れてしまうものの、地味に GT フィッシングを支える縁の下の力持ち、リールについてご紹介します。



リールに要求されるスペック

GT equipment-01ロッドは、GT を「投げて、浮かせて、寄せる」アイテムですから、それはもちろんその格闘技となるファイトの成功の鍵を握る最大の要素でしょう。

しかし、リール無しにはそのロッドの性能を発揮出来ないのも事実です。

GT 用のリールに要求されるスペックはいくつかあって、

  • 高いドラグテンションでも壊れない
  • ルアーがよく飛ぶ
  • ハンドルの回転がスムーズ
  • 魚の急な突進でもドラグの動きがスムーズ
  • 充分なラインキャパシティー

といった要素があります。

これらを高次元で具現化したリールこそが、GT 用リールに相応しいのです。

高いドラグテンションでも壊れない

GT フィッシングでは、魚が岩礁やサンゴ礁に逃げ込むと、根ズレでラインがアッサリ切られてしまう事があるので、いくらかでもドラグを絞めて魚の自由にさせないやりとりをする事があります。

その時、ロッドは満月のようにしなってますが、リールにも相当な負荷がかかっていて、ベイルアーム(ラインを手繰り寄せる部分)がたわんでしまう事さえあります。

安いリールは使い物にならない

他にも、安いリールでパワーファイトをすると、リールのアンチリバース機構(ローターが逆転しないようにする機構)が壊れてしまったり、ギアの歯が欠けたり、ドラグが焼けてしまい、機能しなくなってしまったり。。。

GT がバイトしてくるチャンスは、1日の中で数回あれば良い程度ですので、その『千載一遇のチャンス』の時に、リールが原因で獲物を逃してしまったら、悔やんでも悔やみきれません。

リールは、各メーカーが出している最高のモデルを使うのが「正しい」のです。

ルアーがよく飛ぶ

国内の GT 船の基本は、エンジンを停止して風と潮流の合力だけでボートを流し、徐々にプロダクティブゾーン(釣れる可能性のある域)に近付いていくため、我先にルアーがプロダクティブゾーンに届いたほうが、仲間達より一歩先に GT にアプローチ出来ます。

海外の GT 船は、エンジンを停止しないでリーフ際をなぞって進むだけ、というのも居ますが、いずれにしても、プロダクティブゾーンとボートの間にはかなりの距離があるため、ルアーの飛距離は釣れるか釣れないかに直結する重要な要素です。

GT フィッシングは特異なタックルを使う

普通、投げ釣りというカテゴリーの場合、ラインは出来るだけ細くし、ロッドのガイドを通過するときの抵抗を少なくするものです。

しかし、GT フィッシングでは、根ズレ回避のために細いラインは使えません。

キャストした瞬間、「バラバラバラバラ。。。!」という、ラインがロッドのブランクスに当たる音がするほどです。

リールを作っている各社は、スプールの形状やオシレート機構(糸をスプールに平行に巻き込む機構)に独自の技術をもっており、キャストの時に、スムーズに糸がスプールから放たれていくように設計してます。

ハンドルの回転がスムーズ

もしかして、

「リールはラインを巻き込んでおくためのもの」

という方もいらっしゃるかも知れませんが、とんでもない間違いです。(笑)

GT フィッシングは、移動するとき以外は1日中のほとんどを、投げては巻き、投げては巻きの繰り返しに費やしますが、この時もし、ギアの噛み合わせが悪いと「ゴロゴロ」っとした感じがして、妙に気になったりするものです。

これが感覚的なものだけでしたら、気にしなければそれで済んでしまうかも知れませんが、この「ゴロゴロ」とする感覚がもしかしたら、ギアの噛み合わせが悪いだけで収まらず、歯こぼれを起こす前兆かも知れません。

リールのパワーロスをいかに少なくするか?

また、各メーカーがこのギアの噛み合わせをいかにスムーズにするか、切磋琢磨してますが、その理由はもっと他にあります。

ファイト中に、ラインを巻き込む時、この歯の噛み合わせが悪いと、それだけでパワーロスを起こしてしまい、満足にラインを巻き込む事が出来ないのです。

たとえば、2020年モデルの Saltiga は、このギアの歯の設計思想を大幅に変え、強いテンションでもグリグリ巻き取れる仕様になっています。

GT フィッシングは、対峙する相手の大きさ、強さが非日常的で暴力的です。これに立ち向かうのに、パワーロスをするリールを使う理由は無いのです。

リールは、各メーカーが出している最高のモデルを選んでおけば間違いありません。

魚の急な突進でもドラグの動きがスムーズ

魚にも感情があり、時々イライラしてきて、渾身の力を込めて突っ走る時があります。

その時アングラーがやれる事と言ったら、ただひたすら耐えて、GT が疲れて突進が静まるまで待っているぐらいしかありません。(笑)

丁度よい塩梅に調整出来る、精密なドラグ性能

その時、ドラグが緩かったら、一気に全部の糸を引き出されて GT とおさらばする事だってあり得ます。逆にドラグが硬すぎたら、アングラーはひとたまりもなく海に引きずり込まれてしまうでしょう。

アングラー自身が耐えられるギリギリのテンションで魚と綱引きが出来る。

残念ながら、安いリールは、この微妙なテンションの調整が出来ないですし、そもそも破壊されてしまうのがオチです。

魚の首振りのショックを吸収する最後の砦

GT はファイト中、時々「グングン!」と首を振ります。

魚との綱引きのときは、まず最初にロッドが魚の引きを吸収してくれてますが、この首振りのショックまで丁寧に吸収できない場合があります。

その場合はリールのドラグが吸収してくれないといけません。

ドラグは、アングラーにとって最後の最後に残された砦みたいなものです。

そして、これが安いリールだとスムーズに動いてくれないんです。

音で表現するなら、たとえば一定のテンションで引いてるのにもかかわらず、「ジッ!ジッ!ジジッ!ジッ!」みたいな感じで、スムーズに糸が出ていきません。

これが最高モデルの場合は、「ジィ~~~~~~~~~~~~~~ッ!」と、糸は一定のテンションで出ていきます。

まるで車のブレーキングと一緒で、急なポンピングブレーキではみんな車酔いですが、スムーズなブレーキングではみんな車が停まったことすら気付かない!とかありますが、そんな感じですね!

この件に関してはやはり、各メーカーが出している最高のモデルを選ばないと、泣きを見ることになります。

充分なラインキャパシティー

GT フィッシングでは、6号以上の太いラインを使います。

12号使ってる人だって居るぐらいだけど、普通は8号、ちょっとクレイジーで10号ってところかな

ルアーはそれなりの距離を飛ばしますし、着水してすぐに GT が掛かってくる事もありますが、それから GT が突っ走るわけです。

リールは、ご自身の好みで選ぶのではなく、最低限、ご自身がお使いのラインが200m は巻けるリールを選ぶ、という事になります。

ダイワか?シマノか?

基本的に、GT ゲームでは、メーカーの最高モデルでしたら問題はありません。

つまり、「ダイワか?シマノか?」の問いには、「どっちでも良い」という事になってしまいます。(笑)

しかし、それでは身も蓋もないですから、ダイワとシマノのリールに対する拘りの違いや性能に関して比較してみましょう。

(ただし、執筆者の独断と偏見によります)

ダイワ:Saltiga

Saltiga 2020「うわっ!ゴリ巻きオッケーじゃん!」

というくらい、ギアが進化した2020年モデルの Saltiga ですが、細かく見ていきましょう。

モノコックボディ

Saltiga2020_MQ高いドラグテンションでも壊れない

これを実現するため、ボディはモノコック(一体成型)なのは当たり前ですが、

「あれ?前のモデルからモノコックじゃなかったっけ?」

と思いましたが、ボディ構造がかなり進化してました。

前のモデルは、従来のリール形状を踏襲したボディの左側開口部に、ボディカバーを4個のビスで留める構造でしたが、2020年モデルはまず、ボディ形状がほぼ円形で、ドライブギアにプラスアルファ程度の外径となっています。

相変わらず左側が開口部ですが、ボディカバーの留め方がユニークで、カバー全周にネジが切ってあって、カバー自体をボディに締め込んでいく構造です。

ビス4個分のネジの接触面積より、大きいカバーの全周にあるネジの接触面積の方がはるかに大きいため、絞まった感じも剛性も、全然違う次元になるはずです。

大径ドライブギア

2020年モデルのボディ形状が円形になったもう一つの理由が、限られたスペースの中で、いかに大径のギアを搭載するか?でした。

Saltiga2020_Gearハンドルの回転がスムーズ

これを実現するには、ギアの噛み合わせ精度の追求も去ることながら、ドライブギアの外径を大きくする事で、パワーロスが減ります。

この設計変更のおかげで革命的にクランキング(リールのハンドルを回して糸を巻くこと)が楽になり、いわゆる『ウィンチ』のように、ラインを巻き込むだけで、ロッドの性能を借りずに魚を寄せる事さえ可能になってしまいました。

高剛性のアルミ製ローター

Saltiga2020_Air Roter

大幅な剛性アップ

2015年モデルのローターには、高密度カーボン素材のザイオンが使われていましたが、2020年モデルにはアルミ製になりました。

当時、「強度はマグネシウムに匹敵!」とさえ言われていたザイオンですが、それをアッサリと捨ててアルミに戻ってしまったダイワの潔さに脱帽です。(笑)

とはいえ、剛性が2倍にもなれば、フルドラグ(超高負荷)でのファイトでも、ローターのたわみが少なくて済むので、安心して闘えるでしょうね。

LC-ABS

Saltiga2020_LC ABSルアーがよく飛ぶ

この命題に対するダイワの回答は、スプールを順テーパー(先細り)でなく、逆テーパー(先太り)にする事によって、バックラッシュ(下に巻かれているラインが、キャスト時に勝手に放出されるトラブル)を防ぐという、ABS(アンチ・バックラッシュ・システム)でした。

バックラッシュが起こると、バットガイドにラインが絡まってしまい、ルアーは飛ばずに目の前に落ちたり、絡まったラインが切れてルアーを失ったり、少なくとも絡まった部分の強度はすごく落ちてるので、その周辺からラインを切ってシステムの組み直しをしないといけません。

つまり、どう考えても逆テーパーになってライン放出の抵抗が増えてますし、体感的に飛距離も落ちたような気がした ABS ですが、ダイワはトラブルの頻度を下げてアングラーが何度もラインシステムを組み直すというリスクを下げてくれてるわけです。

このシステムが採用されたのは1997年、TDX シリーズのリリースからだったように記憶してます。

そして2020年の Saltiga には、ラインのバタつきが抑えられるようにスプールエッジが2段テーパー状になった LC-ABS(ロング・キャスト・アンチ・バックラッシュ・システム)となりました。

今までの ABS でも充分に飛距離出てたけど、もっと飛ぶなら大歓迎だね

新ドラグシステム

Saltiga2020_New Drug concept魚の急な突進でもドラグの動きがいつでもスムーズ

Saltiga がリリースされる前までは、ダイワの最高級モデルでさえも、GT フィッシングでガチンコファイトをしようものなら、フェルト製のドラグワッシャーがすり減ってしまい、魚が釣れるたびに新品と交換しなければならないという、シャレにならない環境でした。

アングラー仲間同士で、PTFE 樹脂やコルクなどで自作したドラグワッシャーを導入して試してみたり、それはもう涙ぐましい研究で大型 GT と対峙していこうと頑張ってたものなんですよ!

しかし Saltiga になっても、ドラグ機構はそれほど劇的な進化を遂げたとは思えず、耐久性とスムーズさに不安が有ったのは否めません。

Saltiga 2020年モデルは、ドラグワッシャーの径を小さくし、多板化(8000~14000シリーズは14枚、18000~20000シリーズは18枚)したため、高負荷でもスムーズなドラグの滑り出しと、引っ掛かるような挙動(スティック)も出なくなりました。

だからこそ、今回2020年モデルになって大幅な進化を遂げた Saltiga になって初めて、「GT フィッシング用リールのスタンダードになったのでは?」と思えるのです。

ラインキャパシティー別に選べるラインナップ

Saltiga2020_for GTご自身のお使いになる太さのラインが、最低200m、出来れば300m 巻けるような、充分なラインキャパシティーのあるモデルを選ぶべきです。

  • PE6号であれば、14000-XH(価格:119,000円)
  • PE8号であれば、18000-H(価格:129,800円)
  • PE10号であれば、20000-H(価格:129,800円)

となります。

シマノ:Stella SW

Stella2020

「うわっ!こいつもゴリ巻きオッケーじゃん!」

というくらい、巻き上げが軽くなった2020年モデルの Stella SW ですが、細かく見ていきましょう。

HAGANE ボディと X リジッドローター

Stella SW2020_Hagane Body

X Rigid roter高いドラグテンションでも壊れない

定評高い Stella SW のボディ剛性は健在です。

アルミニウム合金をボディに採用し、ボディのたわみや歪み、ネジレをしっかりと抑制するので、繊細なギアの噛み合わせが維持出来るため、高負荷でもスムーズなリーリングを可能にしてくれます。

また、ローターにも同じくアルミニウム合金を採用し、高い剛性の恩恵でフルドラグによるファイトも不安なく出来ます。

インフィニティドライブ

ハンドルの回転がスムーズ

Stella SW2020_InfitityDrive

さすが自転車部品で世界ナンバーワンのシマノですね。ギアの噛み合わせ精度の追求も去ることながら、ピニオンギアとメインシャフトの摺動抵抗を低減させる事で、パワーロスを30%低減しました。

シマノのサイトを見ると、「インフィニティドライブが云々。。。」といった説明が書いてありますが、これだけで理解出来る方はそう多くないのではないでしょうか。

スピニングリールの基本的構造

そもそも、スピニングリールの基本的な構造自体が非常に複雑で、理解されてない方が大多数だと思いますので、それの説明も兼ねて Stella SW 2020年モデルがどう凄いのか、ご説明します。

ハンドルを回す → ドライブギアが回る

ドライブギア(上図では赤い点線)は、ハンドルと直結してるので、ハンドルを回す事はつまり、ドライブギアを回す事になります。

ドライブギアが回る → ピニオンギアが回る

ドライブギアはピニオンギア(上図ではオレンジ色)と噛み合っており、お互いの歯と歯が擦れ合う形で回転が伝わっていきます。ですから、歯面の粗さなどから影響を受ける摩擦抵抗が非常に重要になってくるのです。

ピニオンギアが回る → ローターが回る

ピニオンギアはローターと直結されており、ピニオンギアが回ればローターが回ります。

上図では、ピニオンギアの左側の端っこにローターが取り付けてあります。

メインシャフトとピニオンギアの関係

中空のピニオンギアの中をメインシャフトが貫通してますが、これとピニオンギアとの関係は?というと、それらは直接的には無関係です。

メインシャフトはスプールを固定する部品ですが、これがピニオンギアに何かしてもらうわけでもなく、単純にピニオンギアと同軸にないと困るだけなのです。

メインシャフトは前後運動、ピニオンギアは回転運動

通常、ピニオンギアを貫通するメインシャフトは、ピニオンギアに支持されているため、2つの部品の間には、前後運動と回転運動からくる摺動抵抗が発生してしまってます。

そこでシマノは考えた

メインシャフトはなにも、ピニオンギアに支持されてなくてもいい!

ピニオンギアの両端に、メインシャフトを支えるブッシュ(簡単に言ったら輪っかのような部品)を置いて、それらでメインシャフトを支えればいいいわけです。

そしてこのブッシュとメインシャフトの摺動抵抗を極限まで下げるため、ブッシュにもメインシャフトにも特殊低摩擦処理をするという徹底ぶりです。

この進化のおかげで革命的にクランキング(リールのハンドルを回して糸を巻くこと)が楽になり、いわゆる『ウィンチ』のように、ラインを巻き込むだけで、ロッドの性能を借りずに魚を寄せる事さえ可能になってしまいました。

HAGANE ギア

Stella SW2020_Hagane Gear

ハンドルの回転がスムーズ

シマノのお家芸である『精密冷間鍛造』によって、無垢の金属に200トンの圧力をかけてドライブギアを成型します。

鍛造とは?

金属加工には、熔けた金属を鋳型に流し込んで成型する『鋳造』、無垢の金属の塊を型で押しつぶして成型する『鍛造』、無垢の金属の塊を削って成型する『切削』の3種類があります。

そして一般論ですが、『鍛造』という製造方法には大きく分けて3種類、

  • 熱間鍛造(材料を再結晶温度以上に加熱して行う)
  • 温間鍛造(材料を再結晶温度以下に加熱して行う)
  • 冷間鍛造(加熱せず、常温で行う)

があり、それぞれに特徴がありますが、その中の冷間鍛造についてご説明します。

冷間鍛造のアドバンテージ

まず、熱間鍛造・温間鍛造が加熱して行われるのは、加熱すると材料が柔らかくなり、成型加工がしやすくなるからですが、冷間鍛造は加熱しないため、成型する形状をあまり複雑にできないというディスアドバンテージがあります。

とはいえ、冷間鍛造は逆に、成型加工後の表面の仕上がりがキレイで、寸法精度が高いという特徴があるため、成形加工後に後仕上げが要らず、低コスト・大量生産に向いているというアドバンテージもあります。

そしてもう一つ重要なのが、加工硬化によって硬度があがるため、ギアのように強度が必要な部品の場合は冷間鍛造が向いているというところです。

シマノのサイトでは「精密冷間鍛造」って言ってるけど、そもそも冷間鍛造は精度が高く出来るから、わざわざ「精密」と呼ぶ必要があるのかな?

サイレントドライブ

Stella SW2020_Silent Drive

ハンドルの回転がスムーズ

ボディ全体の基本設計だけでなく、

  • ドライブギア
  • ウォームシャフト
  • ウォームシャフトピン
  • ウォームシャフトギア

などの、駆動に関連する部品の設計・精度を一つひとつ見直し、それぞれの部品同士の微細なガタや揺れなどを細部に至るまで徹底的に排除した。

結果的に、巻く時の回転の滑らかさと静粛性が更に向上している。

AR-C スプール

Stella SW2020_AR-C Spool

ルアーがよく飛ぶ

ライン放出時にラインの整流効果を狙った特殊な形状のスプールリングを採用、結果的にライントラブルのリスクが低減され、遠投性能が増した。

また、スプールリングにバリアコート(強力な耐摩耗性処理)を施し、耐久性もさらに向上、ラインへのダメージも軽減された。

昔のダイワの EX シリーズには、スプールリングにジルコニアを使ってたんだけど、最近はシマノもダイワも使わなくなっちゃったみたいで残念だな~!

新ドラグシステム

Stella SW2020_X tough Drug and Rigid support Drug

魚の急な突進でもドラグの動きがいつでもスムーズ

X タフドラグ

ドラグワッシャーを金属製とカーボン製の2種類で構成することによって、耐久性と安定性に優れたドラグ性能を実現しました。

リジットサポートドラグ

メインシャフト、スプール内に配置したべアリンク2点でスプールを支持することで、スプールのフラツキを抑え、安定したスムーズなドラグ性能を発揮しました。

「カーボン」って言っても、色んなカーボン素材があるので、ステラに使われているのがどういうタイプなのかわからないけど、大径のドラグワッシャーって、微調整が難しいような気がするな
ヒートシンクドラグ

Stella SW2020_Heatsink Drug

簡単に言ってしまうと、ドラグの前側に断熱板を導入して糸巻き部にドラグで発生した熱が伝わるのを防ぎ、ドラグの後ろ側に放熱板を追加して積極的に放熱する機構を設けたという事です。

ラインキャパシティー別に選べるラインナップ

Stella SW2020_for GTご自身のお使いになる太さのラインが、最低200m、出来れば300m 巻けるような、充分なラインキャパシティーのあるモデルを選ぶべきです。

  • PE6号であれば、14000XG(価格:119,000円)
  • PE8号であれば、18000HG(価格:129,800円)
  • PE10号であれば、30000(価格:146,100円)

となります。

改めて2機種を比較してみる

Saltiga と Stella SW について別々にご説明してきましたが、詳細がわかった所で改めて比較してみたいと思います。

Maker Model テクノロジー 高いドラグテンションでも壊れない ルアーがよく飛ぶ ハンドルの回転がスムーズ 魚の急な突進でもドラグの動きがスムーズ
ダイワ Saltiga 2020 モノコックボディ
大径ドライブギア
アルミ製ローター
LC-ABS
新ドラグシステム
シマノ Stella SW 2020 HAGANE ボディ+
X リジッドローター
インフィニティドライブ
HAGANE ギア
サイレントドライブ
AR-C スプール
新ドラグシステム

どちらも要件を満たしてますので、お好きな方をお選びになって良いと思いますが、強いて言えば、次のように優劣がつけられます。(あくまで独断と偏見ですので、悪しからず。)

ボディ剛性

  • Saltiga ≒ Stella SW

Saltiga 2020

ダイワの大型スピニングリールとして初めてのモノコックボディを採用したことにより、ボディが軽量化・高剛性化され、2015モデルから大幅に性能が上がっています。

Stella SW2020

2013モデルから変わっていませんが、そもそも剛性の高さでは定評のあった2013から何も変える必要もなく、敢えて見た目は人気の2013モデルのままだと思われます。

どちらも高剛性ですので、実用レベルでは歪んでしまう心配は無いです。

ドライブギア強度

  • Saltiga ≒ Stella SW

Saltiga 2020

ドライブギアは2020モデルになって厚みが55%、外径が12%もアップし、大幅に強化されています。

また、2015モデルと2020モデルはドライブギアの色が違うので、表面処理を変えたか、もしくは材質も変えたかもしれません。

Stella SW2020

Saltiga のドライブギアは切削加工で作られていますが、Stella SW は冷間鍛造で作られているので、歯の強度はおそらく Stella SW の方に分があると思われます。

ただし、Saltiga はドライブギアとピニオンギアの噛み合わせ面積が大幅に広がっているため、もしかすると Stella SW と互角かもしれませんね。

どちらも高強度ですので、実用レベルでは歯が崩れてしまうような心配は無いです。

ウィンチ性能

  • Saltiga > Stella SW

Saltiga 2020

ドライブギアは2020モデルになって外径が12%もアップし、パワーロスを劇的に減らす事ができました。

Stella SW2020

2020モデルのドライブギアの外径は2019モデルと違わないようですが、フィッシングショーで触った感触では、Saltiga の方がゴリ巻き性能が高かったように思えます。

ローター剛性

  • Saltiga ≒ Stella SW

Saltiga 2020

巻き始めを軽くするために2015モデルはザイオンを使っていましたが、Stella SW に比べて剛性が低かったのをダイワは潔く認めて、Stella SW の剛性をベンチマークしたに違い有りません。

Stella SW2020

2020モデルのローターは、強度解析を繰り返して剛性を落とさずに小型化に成功したようです。

キャスト性能

  • Saltiga ≒ Stella SW

Saltiga 2020

ダイワは2020モデルになって LC-ABS という2段テーパー状のスプールリングを採用しましたが、キャスト時のライントラブルの多くは、実はラインシステムやアングラーの投げるクセによる所が大きいので、あまりシビアに比較した事はありません。

Stella SW2020

なんとなくですが、Saltiga 2020に似たような感じに見える Stella SW のスプールリングですが、経験豊富なプロアングラーの方々が検証されてきているので、問題はないと思います。

ドラグ性能

  • Saltiga > Stella SW

Saltiga 2020

ドラグワッシャーが2020モデルになって14枚(18000~20000は18枚)になり、微調整が非常にしやすくなった感があります。

ドラグワッシャー径が小さい(=摩擦面積が少ない)ので、1枚あたりのドラグ耐力は低いのですが、多板化する事によってその不足を補う事が出来ています。

Stella SW2020

ドラグワッシャー径が大きい(=摩擦面積が多い)のは、1枚あたりのドラグ耐力が高いので、理想的に思われがちですが、クラッチが単板だと扱いにくく、多板だと扱いやすくなるのと同じ理由で、大径ドラグワッシャーでは安定したドラグ性能が出しにくいと思えます。

ドラグ放熱性

  • Saltiga ≒ Stella SW

Saltiga 2020

ドラグノブが2020モデルになってアルミを適用し、ノブの外径も大径化したため、ドラグノブ自体がヒートシンク(放熱デバイス)となり、スプールの糸巻き部には熱がこもらなくなりました。

Stella SW2020

2020モデルになって、糸巻き部の直後に断熱材を追加、ドラグワッシャー後部にヒートシンクを新設して放熱対策は万全になりました。

ただし、Saltiga がドラグノブをヒートシンク化したのに対し、Stella SW はヒートシンクを新たな部品として追加したわけで、もともと複雑なメカだった Stella が更に複雑になってしまいましたね。(笑)

まとめ

GT 用のリール選びについてまとめると、

  • 高いドラグテンションでも壊れない
  • ルアーがよく飛ぶ
  • ハンドルの回転がスムーズ
  • 魚の急な突進でもドラグの動きがスムーズ
  • 充分なラインキャパシティー

といった要素を兼ね備えたもの、ということになります。

そして、Saltiga も Stella SW も、上記を全て兼ね備えた優秀なリールであり、どちらでもお好きな方を選択されて間違いないでしょう。

個人的には構造がシンプルな Saltiga の方が好きだな

最後に、両メーカーから出ている GT 用リールを並べた表を表示しておきます。

PE メーカー 機種 自重
(g)
糸巻量
(m)
ドラグMax
(kg)
巻取り長さ
(cm/ハンドル1回転)
ギア比 価格
(JPY)
6号 ダイワ Saltiga
14000-XH
665 5-400
6-300
25 134 6.2 ¥119,000
シマノ Stella SW
14000XG
675 6-300
8-200
10-165
25 134 6.2 ¥119,000
8号 ダイワ Saltiga
18000-H
885 6-400
8-300
30 131 5.8 ¥129,800
シマノ Stella SW
18000XG
875 5-500
6-400
8-300
28 129 5.7 ¥129,800
10号 ダイワ Saltiga
20000-H
890 8-400
10-300
30 143 5.8 ¥129,800
シマノ Stella SW
30000
975 8-600
10-475
12-375
25 131 4.4 ¥146,100

以上、『GTフィッシングでおすすめのリールと安いリール』についてご紹介いたしました。

最後まで読んでくださりありがとうございます。