EK012-【GT釣り】ルアーで挑むトップウォーターゲームの頂点とは?!

ちょっとオデコの出っ張った、いかつくてデカい顔した魚 GT は、『Giant Trevally』を略してそう呼ばれています。

釣り雑誌でも時々、ドヤ顔で大きな GT を抱えたアングラーの写真をお目にかけた方も多いと思いますが、釣りをする者にとってはやはり、ある意味『頂点』を極めた達成感からドヤ顔になってしまうのかも知れません。

この記事では、その GT という魚の魅力や、どんな釣り方をするのかなどをご紹介していきたいと思います。



和名『ロウニンアジ』

その名の由来は、大型になると単独で泳いでる事が多く、「威風堂々と泳ぐ大型の個体を武士の浪人に見立てた」という説が有力です。

他にも「人相が悪く、いかつい顔をしているうえに、前鰓蓋骨の線が入っている様子を、向こう傷のある浪人に見立てた」という説もありますよ

ちなみに、それぞれの地域別の呼び名は、

  • 和名:ロウニンアジ
  • 沖縄・奄美諸島:ガーラ
  • 九州:エバ
  • ハワイ:ウルア
  • 万国共通:ジャイアントトレバリー(GT)

といった所です。

生息域

GT 世界分布図
出典:Wikipedia

スズキ目アジ科に属し、全長180cm、体重80kg にも達する大型の海水魚で、アフリカ東岸・ハワイ諸島・マルケサス諸島・日本南部・東南アジア・シェパード諸島・オーストラリアの北部までのインド太平洋海域、そして2015年以降は南米西岸にも分布することが確認されています。

日本では屋久島・琉球列島・奄美諸島・南大東島・小笠原諸島が生息域で、それより北の関東地方沿岸までは黒潮に乗って若魚が到達しますが、繁殖できる大きさに育つ前に冬の寒さで死滅してしまう、いわゆる『死滅回遊魚』として知られています。

とはいっても、工場などから温排水が出てる水域では越冬も出来て、大型化することもありますよ!

釣りものとしては、アングラーの間では特に、インドネシアやフィリピンなどの東南アジア、それとオーストラリアの GBR や南太平洋諸国が有名です。

生活圏

基本的に、水深100m までの浅い海の岩礁帯やサンゴ礁に生息すると言われています。

若魚の間は内湾や河口などの汽水域に集団で生息していて、エサを求めて川を意外なほど上流まで遡る事もあります。

成魚になると、基本的に外洋に面した沿岸域を単独で生息すると言われていますが、産卵期は大群をなす様子が確認されています。

30kg クラスの大型個体までもが若魚の頃と同じように、意外なほど上流まで遡る事もあって、その生態は未だに未知の部分も多いですよ!

世界記録はトカラ列島で釣れている!

GT_World Record_160lb 7oz
出典:Sport Fishing Magazine

IGFA(International Game Fish Association:国際ゲームフィッシュ協会)のオールタックル部門で、全長168cm(参考)、体重160ポンド7オンス(72.8kg)という世界記録があります。

2006年5月22日、鹿児島県のアングラー、濱崎敬貴さんがトカラ列島で釣られたそうですが、特筆すべきことは、ボートではなく陸地からのキャスティングだった所です。

ちなみに、タックルは130ポンドクラス、ファイトタイムは35分キッカリだったそうですが、普通のサイズならボートでは10分足らずで済んでしまうので、この魚とは壮絶な死闘が繰り広げられたであろう事は容易に想像出来ますね。

性格

性格は獰猛で、アジやサバ、タカサゴなどの小魚・エビやカニなどの甲殻類・タコやイカなどの頭足類・カモメなどの鳥類までも食べてしまう悪食です。

ベテランダイバーでもなかなか入れないような強烈な流れの中でも、ユッタリとそして平然としている姿はやはり、『海の食物連鎖の頂点に君臨する者』として相応しいようで、ダイバーにも大人気です。

『GT を見た!=ベテランダイバー』という図式があるそうですよ!

しかし、いつもユッタリしているわけではなく、スイッチが入れば超絶なスピードで獲物を追いかけ、襲いかかる姿はやはり、『捕食者』ですね。

GT の釣り

記事のタイトルにも銘打っているように、『ルアー釣りのトップウォーターゲーム』というジャンルにおいては、間違いなく頂点にあると言って良いでしょう。

釣りの対象として

全長180cm、体重80kg にも達する巨大魚であり、

  • 間違いなく、『キャスティング』というカテゴリーの中では、最もヘビーなタックルを使う
  • 使用するタックルにシビアな釣りであり、妥協は許されない
  • ルアーに食いつく時の派手さがハンパない
  • 瞬発力が強く、引きが猛烈に強い
  • 平たい体型なので水の抵抗も強く、なかなかこっちを向いてくれない
  • しかも釣れる場所が岩礁帯やサンゴ礁で、ルアーに食いついたら一目散に岩礁帯・サンゴ礁の棲家に突っ走るため、糸を切られるリスクもある

など、スリリングな釣りが展開出来るとあって、釣りの対象として人気が高いです。

アングラーの経験の蓄積で釣りが進化する

バリ島では、大袈裟でなく「ここは河か?」と思えるような激流の中、水しぶきをあげてルアーに食いつき、激流に乗って一気に横向きに走られた時は、ドラグが鳴りっぱなしで止まってくれず、糸を全部出されてしまった事もあります。

そういう悔しい思いをしたアングラーは、ラインをより太く、キャパシティーも増やしたりするものです。すると今度は、ルアーのフックが伸びてしまうのでより強いフック・スプリットリングにします。

そうやってどんどんタックルをヘビー化すると今度は、ルアーが飛ばなくなってきます。ルアーがポイントに届かないと釣れないので、アングラーは投げ方を変えたり、筋トレをしたりします。

最終的には、糸は PE 12号、リーダーは200lbまでにした人も居ますよ!

そういう、「進化する余地があるから楽しめる」といった所も、釣りの対象として人気がある要素になっているのではないでしょうか。

最近はタックルの進化で、小柄な女性でも楽しめるようになった

以前はたしかに、大柄で体力のある男性のみに開かれた世界でした。

ロッドの進化が GT を身近なものにした!?

GT_fight-01ところが現在は、ロッドをホールドして耐えてるうちに、ロッドが勝手に魚をリフトしてくれる、という有り難い性能をもったものが出回るようになったので、ロッドとフィールドさえ選べば小柄な女性でも、さすがに「気軽に!」とは言えませんが、楽しめる時代になりました。

ロッドについて詳しくはこちらをご覧ください。

→ GTキャスティングでおすすめのロッドは?パックロッドの紹介も!

リールの進化もすごい

GT Reelsロッドだけでなく、リールも凄い進化をしています。

以前は、20kg 台後半の GT が掛かると、ノーマルだとドラグが融けてしまったり、もっと昔になると、アンチリバース機構も壊れたりと散々でしたが、今は不安なく釣りが出来るようになりましたね!

リールについて詳しくはこちらをご覧ください。

→ GTフィッシングでおすすめのリールはダイワとシマノどっち?安いリールは買うとヤバイぞ!

特に2020年になって、高負荷での『ゴリ巻き』が可能になったのは、小柄な女性でも頑張れば GT を引き寄せる事がだいぶ楽になったはずです。

ルアーも進化した

GT Luresこれはあまり喜ばしいとは言えないことですが、よりいっそう、『釣れるルアー』が市場に出回るようになったということです。一見、

「釣れるルアーが増えたんならいいんじゃない?」

と言われそうですが、逆に言えば、「そこまでしないと釣れない状況になった」ということです。

昔はポッパーとペンシルさえあれば釣りが成立してたのにね。。。

GT フィッシングのフィールドテストを、既に多くのアングラーにたたかれて釣れにくくなった国内で行う場合、スレた魚でも釣れるようにしないといけないですから、『ルアーにアタックするスイッチをどうやって入れさせるか?』という研究がテーマになっています。

ルアーの種類が増えた

黎明期は、大まかに言うとたった3種類しかルアーがありませんでしたが、今では以下のように多岐に渡ります。

  • ポッピングポッパー
  • ダイビング(スイミング)ポッパー
  • ペンシル
  • ダイビングペンシル
  • シンキングペンシル
  • ミノー

※ミノーは度重なるキャストや激しいファイトでリップが壊れる心配がありますが、60kg オーバーの GT にも実績があるので、今後は各メーカーが取り組んでくれるかもしれません。

ルアーメーカーが増えた

その結果、『より釣れるルアー』の開発が加速し、ルアーメーカー数も、黎明期は2社だったのが、現在では10社を超えています。

また、『飛行機に乗って釣りに行く』という遠征のスタイルも、以前は「なんでわざわざ飛行機に乗って、しかも釣りなの?」と変人扱いされることが多かったですが、今では普通になってきました。

GT フィッシングの間口が広がり、より身近になり、やる人が増えて、フィールドは更に釣れなくなってきて、それでも釣れるルアーが開発される。。。イタチごっこのようですが、「引き出しが増えて良い」という事も言えると思います。

GT フィールド(ツアー)が増えた

以前は、世界地図とにらめっこしながら、

「どこか未開の地はないか?」

と血眼になって探して、気になった場所があればどうアクセスするか調べて、現地のガイドサービスを見つけ出し、どんなコースを何日かけて攻略するかなどの交渉の末、同行するメンバーを募るという手順を踏んで行ったものです。

現地のガイドも商売ですから、決して悪いことは言わず、我々は鵜呑みにしてはいけないと思いつつも『夢追い釣り人』となって遠征に出掛けます。

海外に行けば釣れるのは当たり前?

という方も、以前は多かったですが、今はどうなんでしょう?

日本の GT 船のキャプテンは間違いなく世界でトップクラスの『釣らせ上手』ですが、それはスレきった国内フィールドでも釣らせないと商売にならないからであり、アングラーはキャプテンの指示するがままに釣りする『殿様釣り』をしていれば釣れる確率が高いです。

ところが、海外は GT フィッシング自体があまり経験無いキャプテンも多く、アングラーは国内フィールドと同じ様に『殿様釣り』で好結果が出せると思ったら大間違いです。

現地でキャプテンの知識・経験を即座につかみ取り、必要な場合はイニシアチブを取って、キャプテンにどこをどう攻略するかなど細かく司令を出すようにしないと、まともな結果に結びつかない場合もあります。

情報が増えたおかげで、ツアーが増えた

以前は情報が乏しく、インターネットで英文で紹介されている情報からフィールドを探したりしたものですが、今では多くの日本人が GT フィッシングに海外にも遠征するようになり、日本語による情報も多くなりました。

国内も GT ガイドサービスの数が増え、国内外全体で、『GT フィッシングツアー』が増えた結果、非常に身近になりました。

まとめ

GT フィッシングの魅力についてまとめると、

  • 全長180cm、体重80kg にも達する巨大魚であり、
  • 間違いなく、『キャスティング』というカテゴリーの中では、最もヘビーなタックルを使う
  • 使用するタックルにシビアな釣りであり、妥協は許されない
  • ルアーに食いつく時の派手さがハンパない
  • 瞬発力が強く、引きが猛烈に強い
  • 平たい体型なので水の抵抗も強く、なかなかこっちを向いてくれない
  • しかも釣れる場所が岩礁帯やサンゴ礁で、ルアーに食いついたら一目散に岩礁帯・サンゴ礁の棲家に突っ走るため、糸を切られるリスクもある
  • など、スリリングな釣りが展開出来るうえ、
  • タックルの進化の恩恵で、最近は小柄な女性でもやり方によっては楽しめる
  • 人気の上昇に伴い、フィールドの開拓が進み、選択の幅が広がった

という事もあって、釣りの対象として更に人気が高まってきています。

以上、『GT釣りの魅力』についてご紹介いたしました。

最後まで読んでくださりありがとうございます。