EK045-【釣り】ロッドテーパーを深~く知ると釣りが進化する!

釣りを始めて間もない方には、まさかロッドのテーパーが深く考えられて設計されているとは思いも寄らないと思います。

ひと言で『釣り』と言っても、対象魚や狙う大きさ、釣りをする場所や釣り方など様々な条件によって使われるロッドは専用設計となってくるので、これを知れば釣りがもの凄く進化しますよ!


テーパーとは

まずは『テーパー』についてご説明しましょう。

rod taper

ロッドは、手元がいちばん太くて、先に行くに従って細くなっていきます。

この『先細りする様子』を『テーパー』と呼ぶわけですが、それが一定の割合で細くなっていけば、先端に力が加わった時ロッドの中央付近を頂点にして全体がキレイに二次曲線を描きます。(上図の『Parabolics』パラボリック:放物線)

それが、手元近くはあまり細くならず、少しだけ中央より先の場所から一定に細くなる場合、先端に力が加わった時は、パラボリックより少し前側を頂点にして曲がります。(上図の『Slow』スロー:鈍い)

そのようにして、細くなる割合を二段階に分け、どこでその割合が切り替わるか?によって、上図のように曲がる頂点の位置が変わってきます。

パラボリック(Parabolics)

rod taper-parabolic

上でご説明した通り、ロッドの中央付近を頂点にしてロッド全体が曲がるテーパーの事です。

日本では「元調子」とも呼ばれますが、魚の食い込みを最重要視した設計で、餌に食いついてもなかなか飲み込まない魚種や、泳がせ釣りをするのに適した調子と言えます。

ロッド全体が曲がってしまうため、魚の引く力をいちばん吸収してくれる代わりに、魚をリフトする(引き上げる)事は不得意ですので、アングラーが積極的にリフトするようにしないといけません。

スロー(Slow)

rod taper-slow

これもロッド全体が曲がりますが、パラボリックと比べて少しだけ前側を頂点にして曲がるテーパーです。

日本では「胴調子」や「元調子」などと呼ばれますが、クランクベイトやスピナーベイトなど『巻物の釣り』に向いており、

  • 魚がルアーを吸い込むのに追従して曲がるため、魚をフックアップしやすい
  • 魚が首を大きく振っても柔軟にテンションを加え続けるので、バラしにく

のが特徴と言えます。

レギュラー(Regular)

rod taper-regular

スローより更に前側を頂点にして曲がるテーパーです。

日本では「本調子」と呼ばれますが、『釣り竿』の基本形であり、自然にキャストが出来るうえ、巻物の扱いにも一応対処出来る、オールラウンダーです。

たとえば「1本しか持っていけない」という条件で、その1本で様々な種類のルアーを使ってみたいと考える方や、初心者で、「まずは1本!」という方でしたら、このテーパーのロッドを選ぶと良いです

レギュラーファスト(Regular Fast)

rod taper-regular-fast

レギュラーより更に前側を頂点にして曲がるテーパーです。

日本では「先調子」と呼ばれますが、ここまで来ると巻物は扱いにくくなり始め、代わりにラバージグやワームなど、ルアーに積極的にアクションを付ける釣りがしやすくなってきます。

ただし、更に前側を頂点にして曲がる『ファストテーパー』の方が「ルアーにアクションを加える」ことに関しては優れているため、この『レギュラーファスト』はどっちつかずな感が否めません。

ファスト(Fast)

rod taper-fast

レギュラーファストより更に前側(ロッドの先端に向かって7:3の位置)で曲がるテーパーです

日本では「七三調子」と呼ばれ、これも「先調子」に分類されますが、ルアーに繊細なアクションを付けやすく、しかも後述する『エクストラファスト』よりもキャストしやすいなど、扱いやすさも兼ね備えているのが特徴となっています。

ワームやラバージグなどを繊細に動かすような釣り方にいちばん向いてます。

エクストラファスト(Extra Fast)

rod taper-extra-fast

ファストより更に前側(ロッドの先端に向かって8:2の位置)で曲がるテーパーです。

これも「先調子」に分類されますが、ルアーに繊細なアクションをつけやすいものの、ロッドの曲がる範囲が非常に狭いので、キャストが難しく、また魚の首振りに追随出来ず、魚をバラしやすいという欠点もあります。

ファスト寄り(先調子)のメリット・デメリット

rod taper-allfast

ファストテーパー(先調子)は、バットやベリーが硬く、途中からティップ(穂先)に向かって柔らかくなっていく設計になってます。

一般的に、先端に向かって7:3、もしくは8:2の位置を頂点にして曲がるロッドを指します。

メリット

ファストテーパーのロッドは全体的に硬いため、アングラーの手の動きがロッドがあまり吸収されず、ルアーにダイレクトに伝わるため、ルアーに微妙なアクション付けやすいというメリットがあます。

また、同じ理由でフッキングもルアーにダイレクトに伝わるので、強力なフッキングが出来るのが特徴です。

アングラーが積極的にアクションをつける、ワーム、ジグ、エギ等を使った、いわゆる『縦の釣り』を得意とします。

デメリット

その反面、巻物や重いルアーを扱うのには向いてないですし、魚とのファイトでは、魚の首振りをフォローしきれずフックが外れやすいので、バラしに注意しなければならないというデメリットがあります。

向いているキャスト

ファストテーパーのロッドでは、スイングの速度を速くするほど飛距離が伸びやすくなります。ロッドを瞬間的に曲げてコンパクトにロッドを振るイメージのキャスト方法です。

スロー寄り(胴調子)のメリット・デメリット

rod taper-allslow

スローテーパーのロッドは手元や5:5の位置(中央あたり)を頂点にして曲がる、ブランクス全体がしなやかに曲がるロッドを指します。

メリット

ファストテーパーでは苦手となっていた、重いルアーや巻物などが扱いやすく、いわゆる『横の釣り』を得意とします。

また、ロッドが全体的にしなってくれて魚の首振りにフォロー出来るので、掛けた魚をバラしにくいのが特徴です。

そして魚が急に突っ込んだり暴れた時も、ロッドが全体的にしなって魚の動きを吸収してくれるため、魚とのファイトに重点を置いたロッドだとも言えます。

デメリット

逆に、ロッドが大きくしなるので、ルアーに繊細なアクションをつけるのには向きません

た、同じ理由でフッキングの力も伝わりにくいため、どちらかと言うと向こう合わせ的な釣りに向いています。

向いているキャスト

スローテーパーのロッドでは、ルアーの重みをロッドにのせてロッドを充分にしならせ、バスロッドの場合だと極端な話、自分ではロッドを前に振らず、ロッドの反発力のみを活かして投げる感じが適しています。

GT ロッドの場合、腰のひねりを使って身体全体で投げる感覚を意識すると、ミスキャストが少なく飛距離が伸びるのでオススメです。

専用ロッドがある理由

 

なぜ専用ロッドが必要?

こと「釣りをする」という事に関して、その対象魚の特質を理解し、釣り方を選んで釣るには、それぞれの釣り方に向いた設計のロッドを選ぶのが好ましいと言えます。

障害物の中をラバージグやテキサスリグで狙う場合

たとえばバス釣りの場合、狙ったバスが水深が浅くて障害物の中に居て、ラバージグやテキサスリグを使うとします。

障害物の中に居るバスは通常、ルアーが障害物から出てしまったら、それを積極的に追いかけるような事はしません。

なので、これらのルアーを障害物の中に入れた場合、あまり横方向に大きく移動させず、どちらかというと同じ場所でルアーを上下動させてバスを誘う、いわゆる『縦の釣り』になります。

ルアーの横方向の移動距離を少なくするには、障害物に引っ掛かって「ポンッ」と外れた瞬間、ルアーを引く力を緩めてあげる必要があります。

この時、スローテーパーのロッドだと、ルアーが障害物から外れた後もロッドが勝手にルアーを引っ張ってしまい、ルアーは大きく横に動いてしまうワケです。

ですから、ラバージグやテキサスリグなどで障害物を積極的に攻める場合はファストテーパーで、バスを障害物の中から引きずり出すパワーのあるロッドが向いています。

障害物の外をスピナーベイトやクランクベイトで狙う場合

実はスピナーベイトもクランクベイトも、障害物の中を通すと非常に有効なルアーではありますが、広いエリアでバスの居場所を探す、いわゆる『横の釣り』にも非常に有効です。

そしてこの『横の釣り』の場合は、ルアーにはロッドに引っ張られるテンションが絶えずかかっているという所がキーになります。

バスは、口を大きく開けてルアーをその周辺の水ごと吸い込む(フィードすると言う)食べ方をしますが、ルアーがロッドに引っ張られていると、極端な話、水だけ吸い込んでルアーは吸い込めないという事態が発生します。

運良くルアーが吸い込まれたとしても、中途半端に吸い込まれた場合は、フックが浅く掛かるなどしてバレる原因にもなります。

ですから、『横の釣り』の場合はロッド全体が魚の引き(この場合は吸い込み)に柔軟に対応出来るスローテーパーが向いています。

快適な釣りをするためには?

ことわざに「弘法筆を選ばず」というものがありますが、つまりファストテーパーのロッドで『横の釣り』を展開する事は、出来なくはないです。

ただし、バスがルアーを吸い込もうとしても吸い込めず、「なんだコレ、ミスバイトが多すぎるぞ!」となってしまいます。

その逆もしかりで、スローテーパーのロッドで『縦の釣り』を展開すると、「同じ場所でネチっこく誘いたいのに、ルアーがすぐ障害物から出て来てしまう!」となります。

そうなると、とても快適な釣りとは言えず、本来ならリラックスするための釣りが、フラストレーションの溜まるものとなってしまいます。

可変テーパー?

こと「魚とのファイト」に着目すると、スローテーパーのロッドはアングラーに優しいです。

しかし、ルアーの操作性を考えると、ファストテーパーの方が扱いやすい。

つまり、ルアーを操作する程度の負荷の場合はファストテーパー的な曲がり方で、いざ魚とファイトする時になるとスローテーパー的な曲がり方になってくれるといいですよね!

これが巷で言う『可変テーパー』です。

これは、たとえば GT ロッドだと、投げれるルアーの重さ(キャストウェイト)とアクションを加えた時の負荷(釣り方:ポッピングなのか?ジャーキングなのか?など)を予め想定して、それに合った基本テーパーを設計します。

バスロッドの場合、この基本テーパーが適切に設計されてさえあれば、魚とのファイトはそれほどシビアではないので充分です。

GT 釣りの場合、魚が掛かった時のファイトが非常にシビアなため、ファイトしやすいテーパー設計の要素も必要になってきます。

負荷によってロッドの曲がる頂点はバットの方に移行してきますが、狙った魚の大きさや釣り場所(根の険しい場所か?激流か?緩い場所か?など)に合わせて「この範囲で魚のパワーを受け止め、リフトさせる」といった範囲を設計します。

GT 釣りでは、こういう多段テーパーの設計によってルアーの操作性と魚とのファイトという相反する要素を高次元でバランスさせたロッドが要求されます。

まとめ

以上、ロッドのテーパーは「どんな釣り方をするか?」によって選ぶのが大切だという事をご説明してきましたが、次の順序で選ぶと間違いないです。

  • 対象魚の食いつき方(吸い込むか?噛み付くか?)
  • 対象魚の居る場所(障害物の中か?外か?)
  • どんなルアーをどう使うか?(縦の釣り?横の釣り?移動距離は少ない?多い?)
  • 縦の釣りならファストテーパー、横の釣りならスローテーパー
  • 移動距離が少ないならファストテーパー、移動距離が多いならスローテーパー
  • レギュラーテーパーはどっちつかずだが、「どれか1本だけ」という場合はアリ

また、魚が掛かった後のファイトについても考慮しないといけない釣りの場合、『ファイト用のテーパー設計』というものも必要になってきます。

ロッド選びは、たとえば GT など、対象魚によってはルアーの操作性だけでなく、魚とのファイトという相反する要素を高次元でバランスさせたロッドを探す必要があります。

良いロッドとは、設計者とフィールドテスターが

  • ルアーの使われ方をよく理解している
  • 理想としているアクションを得るための理想的な素材を熟知している
  • 数多くのロッドを設計・開発してきたノウハウが蓄積されている
  • ロッドの性能に関する感性が鋭い

といった条件を満たしており、なおかつ机上の空論では終わらず、実際にフィールドテストを重ねて微調整してリリースされたロッドを選ぶようにしましょう。

そういう意味では、プロトの段階で実績のあるロッドを選ぶと間違いありません。

以上、『ロッドテーパーを深~く知ると釣りが進化する!』でした。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。