EK001-2020年版小型水槽のプロテインスキマー

海水魚飼育においてまさに『必需品』とも言われているプロテインスキマーですが、以前は大型水槽用の製品しかありませんでした。

しかし、全ての家庭で大型水槽を置くことも出来ないですし、小型水槽でもきちんと飼育する事が出来るシステムが必要というニーズに応えるため、最近では小型のプロテインスキマーも何社からリリースされるようになりました。

そこで今回は『小型水槽向けのプロテインスキマー』をご紹介させていただき、あなたの住宅事情、水槽事情などに最適なプロテインスキマー選びのお手伝いをさせていただきたいと思います。



プロテインスキマーのおさらい

いわゆる『物理濾過装置』の一種ですが、他のフィルターを使った方式とは一線を画した、素晴らしいアドバンテージがあります。

他のフィルターを使った物理濾過装置

他のフィルターの物理濾過装置は何らかの材質のフィルターを『篩(ふるい)』として使って、魚のフンやエサの食べ残しなどの不純物を取り除きます。

物理濾過装置には亜硝酸菌や硝酸菌が大量に住み着き、最終的に毒性の低い硝酸塩が水槽に溜まっていきますが、これが濃くなると、弱いサンゴは耐えられないですし、魚にとっても有害となってくるので、硝酸塩も出来るだけ取り除く必要があります。

硝酸塩に無頓着な人が多すぎるの~!

性能の良いフィルター式物理濾過装置は、逆に言えば硝酸塩大量発生装置とも言えるので、普通はこの方式の濾過装置だけでなく、硝酸塩を窒素と酸素に分解する『脱窒還元装置』も必要になってきます。

この『脱窒還元装置』について、詳しくはこちらの記事を参照ください。
→ 海水魚水槽に強力な濾過装置を入れると水換え頻度が増す

硝酸塩を発生させないプロテインスキマー

その点、プロテインスキマーの場合、構造上、いったん分離させた有機物は、二度と飼育水に触れないので、水槽内にアンモニアを撒き散らす心配が無く、それが分解される亜硝酸も硝酸塩も発生せず、魚やサンゴには優しい環境が保たれます。

ただし、出来るだけ多くの有機物がプロテインスキマーに吸い込まれるように、水流をコントロールする工夫が必要です。

プロテインスキマーの原理

お風呂でお湯を沸かした時、お湯の中を漂ってたゴミや髪の毛が泡に包まれ浮いているのを見たことがある方も多いと思いますが、プロテインスキマーはこれと同じ原理で、細かい泡を発生させ、魚のフンやエサの食べ残しに泡がまとわりつき、浮かせてくれます。

泡は大量に発生するので、プロテインスキマーの上側に向かってどんどん吹きこぼれるまで立ち昇っていき、有機物も泡と共に吹きこぼれて、『汚水カップ』に溜まります。

プロテインスキマーのアドバンテージ

他にも、大量の泡を発生させるので、飼育水の溶存酸素量が劇的に増やせます。

結果的に酸欠で水槽崩壊という事故になるリスクが減るので、そういった意味でも水槽システムに導入しておいて損はありません。

また、日頃のメンテナンスが汚水カップに溜まったゴミを捨てるだけなので、非常にお手軽という点も見逃せません。

とはいっても、泡の上がる部分に汚れが着くと性能が落ちるので、定期的にメンテナンスが必要がよ~!

プロテインスキマーの種類

大まかに言って、

・エアリフト式
・ベンチュリー式

の、2種類があります。

エアリフト式

エアリフト式スキマー_970

この2種類のうちお手軽なタイプで、ウッドストーン(木で出来た石っていうのも変ですが)から細かい泡を発生させて水中の不純物を濾し取る装置です。

水槽の水の入り口と濾過された水の出口が同じ場所という構造上、極端な話、スキマーの中の水は泡によって濾過されますが、それが排出されずにただスキマー内を循環してるだけです。

スキマー内の強力な水の循環の流れのせいで、水槽の水はスキマーの入り口から入って行くことが出来ず、性能的には、「無いよりはマシ」な感は拭えず、またウッドストーンがすぐ目詰まりを起こすので、頻繁にメンテナンスする必要があります。

非常に小型で、大きさという観点で言えば、30cm 水槽のような超小型水槽にはマッチしているとは思いますが、あまりにも性能が低すぎて、オススメ出来ません。

ベンチュリー式

ベンチュリー式スキマー_970

本格的なプロテインスキマーです。

エアリフト式では給水口と排水口の区別がなく、スキマー内を水が循環するだけになりがちでしたが、このベンチュリー式は水がちゃんと給水口から入って排水口から出ていくようになっているので、効率的に水が濾過されるのが最大のアドバンテージです。

不純物を分離する性能は、泡を発生させるインペラーの形状やポンプの性能によります。

なお、ポンプには静かで調整の利く DC ポンプか、耐久性の高い AC ポンプが、メーカーさんのこだわりで選択されています。

最近は DC ポンプが人気あります。

小型プロテインスキマー

以前は大型水槽用で、しかもサンゴ飼育用としか考えられてなかったプロテインスキマーですが、最近は小型水槽にも使えるコンパクトなものも何社からもリリースされてます。

下の表は代表的なプロテインスキマーを比較してますが、上の方が小型水槽に合ったものになります。

製品名 メーカー / 代理店 タイプ 対応水量 ※1 消費電力 値段 ※2
マメスキマー 3 マメデザイン 内掛け 総水量 130L以下 ¥10,183
海道河童(大) カミハタ 外掛け 他の濾過槽と併用 – 120L 3.0W/2.6W (エアポンプ)
3.5W/4.1W (循環ポンプ)
¥8,400
ベルリン – 60L
エクスターナル
ナノスキマー QQ1
ゼスト/
ゼンスイ
外掛け 最大対応水量 – 100L 8.5W ¥18,600
適用水槽サイズ – 小型~60cm
プリズム レッドシー/
エムエムシー企画レッドシー事業部
外掛け・
インサンプ
魚水槽 – 150L 10W ¥27,000
ソフトコーラル・LPS – 100L
ハードコーラル – 70L
DOC スキマー
9004DC
ツンゼ/
LSS研究所
内掛け 60~300L 5W ¥28,000
DOC スキマー
9012DC
200~1400L 17W ¥47,000
海道達磨 カミハタ 外掛け・インサンプ 他の濾過槽と併用 – 360L 21W/22W
(50Hz/60Hz)
¥23,800
ベルリン – 150L

勝手な憶測ですが、たいていの初心者の方は大きくて60cm より大きい水槽からは始めないと考えると、45cm 水槽あたりだとゼンスイが販売している『ゼスト エクスターナルナノスキマーQQ1』、60cm 水槽だったらカミハタの『海道達磨』が良いと思います。

いちおう、データを見ただけですと、性能的には、

海道河童 < マメスキマー < QQ1 < プリズム < DOC < 海道達磨

といったところでしょうか。

QQ-1
エクスターナルナノスキマー QQ1

ツンゼの『DOC スキマー』シリーズは性能は良いし消費電力が少ないので『エコ』の観点で見ると非常に良さそうですが、内掛けタイプなので、ただでさえ狭い水槽内のスペースを取ってしまうので、「気になるかな?」と思い、省きました。

ただし、60cm x 45cm x 45cmの水槽だったり、「多少のスペースの犠牲は気にしない」という方でしたら良い選択だと思います。

カミハタの『海道河童』シリーズは正直な話、スキマー用のエアポンプの他に循環用のポンプも必要になってくるので、電源プラグが2つあるというのもややこしいですし、「所詮」エアリフト式なので性能も知れてます。

 

海道達磨
海道達磨

『マメスキマー 3』はガラス製でスタイリッシュですが、エアリフト式という事と、他にも汚水カップの代わりに外部タンクにゴミを溜める方式なのは水槽周りがスッキリして良いのですが、このタンクにつながるチューブが目詰まりしやすいとの話もあるので省きました。

ただし、目詰まりしやすいのは、メンテナンスの頻度が低いからかもしれませんし、もともとエサをあげ過ぎたり魚の数が多過ぎることも考えられるので、要は『生体の数とスキマーの性能のバランスを考える』というのがキモとなります。

『プリズムスキマー』は使ったことは無いですが、かなり音がうるさいと聞きますし、売っているのも在庫のある限りみたいなので、これも省きました。

少しでも性能の高いスキマーを用意し、生体は出来るだけ少なくして、最初は様子を見て、水質の推移を確認しながら生体を増やすかどうか検討するのが良いでしょうね。

まとめ

フィルター式濾過装置で発生する硝酸塩をいかに抑えるか?がキーポイントになりますので、生体数を控え、強力なプロテインスキマーでを使うというのが基本です。

1)エアリフト式はお手軽ですが、たとえ小型水槽とはいえ、性能的にオススメ出来ない。
※ エアポンプを別に購入する必要もあり、ウッドストーンを2~3ヶ月に1回、新品に交換する必要があるし、メンテナンスも本体を水槽から取り出してする必要があるので、かなり面倒です。
※ ベンチュリー式に対する値段的なアドバンテージもそう有りません。

2)最近は小型でコスパの高いベンチュリー式が出回っているので、そちらがオススメ。
※ エアリフト式より多少値が張りますが、性能は10倍とも言われているのでコスパ最高です。
※ 生体数をグッと抑えればベンチュリー式だったらプロテインスキマーだけで飼育も可能です。

3)スタート時はたとえば2~3匹の魚から始めて様子見をし、水質の推移を見ながら徐々に増やす。
※ フィルター式濾過装置の濾過能力は非常に高く、これをプロテインスキマーだけで賄うのは大変ですが、いままで『アンバランス』と言われてた組み合わせ(小型水槽に中堅プロテインスキマー)では可能です。

以上、『小型水槽でも失敗しないプロテインスキマー選び』について述べさせていただきました。

最後まで読んでくださりありがとうございます。