EK018-海水魚飼育に底面濾過はマッチするのか?外部濾過と併用で実際に立ち上げてみた

子供の頃から淡水の熱帯魚を飼育してきましたが、海水魚の飼育はお金もかかるので、社会人になるまでやりたい気持ちを封印してました。

ホテルやレストラン、病院などあちこちでキレイな海水魚水槽を見つけては

「いつかは海水魚をやるぞ!」

とはよく思ってたものです。



キッカケは『ファインディング ニモ』

2014年になり、娘と映画を観て、もう我慢出来なくなりました。(笑)

ただし、家の中に大きな水槽を置くスペースも無く、60cm x 45cm x 45cm の水槽を置くのが精一杯ですが、まずはそこから始めよう!という事に。。。

でもこの水槽、意外と水量があるんですよね

で、魚を買ってくるまえに、どういうシステムにするか思案する事になりました。

濾過装置いろいろ

一般的に『海水魚飼育』というと、オーバーフロー水槽に大型プロテインスキマーの導入というのが鉄板ですが、悩ましいことに、水槽を置ける場所がウチの階段の横にある棚の上なので、オーバーフロー水槽は物理的に不可能です。

海水魚の場合、濾過能力が淡水魚の2倍要る!

オーバーフロー水槽は大きな濾過槽が水槽を支えるキャビネット内に収まるので、大きな濾過能力を必要とする海水魚飼育には最適なんですが、水槽を置く場所の都合により諦めないといけません。

水槽を置く棚に穴をブチ開けて、棚の中に濾過槽を入れたりとかしたかったのですが、借家だったもので、そうもいかず、オーバーフロー水槽は諦めるしかありませんでした。

濾過装置は、ストレーナーから稚魚が吸い込まれる!

色んな濾過装置がありますが、どれも皆、吸水口にストレーナー(異物を吸い込むのを防ぐ、スリットの沢山入った濾し器)があるだけで、プランクトンや稚魚などの小さなものは吸い込んでしまいます。

そもそも、大量の水をその小さい給水口から吸い込むんですから、そこで篩にかける部分の大きさを大きくすることも出来ず、スリットから吸い込まれる水の勢いも物凄いわけです。

実際、上部濾過装置を使っていた時、稚魚が吸い込まれて濾過槽に入っていた事があるよ

底面濾過だけが、稚魚を吸い込まない!

いっぽう、底面濾過だけはこのストレーナーにあたる部分が、広大な水槽の底の部分なわけで、吸水する勢いもユックリで、底砂をある程度細かくすればプランクトンや稚魚が吸い込まれません。

子供の頃から慣れ親しんできた淡水の熱帯魚では『底面濾過』もしくは『上部濾過』でしたが、それだけではきっと濾過能力が不足するだろうと考え、外部濾過も追加して対応する事に決定、機種はエーハイムのプロフェッショナル3 2075でした。

エーハイムのプロフェッショナル3 2075

この外部濾過装置は画期的で、たとえば濾過装置をメンテナンスや修理などで水槽から外したい時、普通は濾過装置に繋いでいるホースをソケットからいちいち引き抜かないといけません。

その時、水槽から来る吸水側のホースから水が溢れるので部屋が水浸し!にならないよう、ホースを引き抜いたらすぐに水槽の水面より高い位置に持っていかないといけません。

そして、排水側のホースからも水は溢れます。

ところが、このエーハイムのプロフェッショナル3 2075は、給排水両方のソケットがカセット状になっていてワンタッチで外れてくれるので、簡単でしかも水漏れしません。

でもこれ、今じゃ廃盤になっちゃってるよ

クーラーも要る!

熱帯魚ですからヒーターは当たり前だとして、海水魚には夏場用にクーラーも要るという贅沢さ!

仕方ないのでこれも購入する事に決定、ゼンスイの ZR-75E にしました。

充分な冷却性能

このクーラーの性能は、メーカーの仕様説明によれば、クーラーの周囲の温度が30℃の時に、水温を25℃に下げる事が出来る水量が300リットルです。

使う水槽の大きさが60cm x 45cm x 45cm ≒120リットルなので、この時は「まぁ充分かな?」という感覚的な判断で採用しました。

クーラー選定のロジック

実際には、水槽システムに使っている濾過槽などに入る水量や照明器具などから発生する熱量も考慮しないといけないのですが、当時は水槽の水量の約2.5倍くらいなので、充分だろうと考えたわけですが、真面目に検証してみます。

  • 水槽:120リットル
  • 濾過装置:9.2リットル
  • 蛍光灯:18ワット x 3本=54ワット → 54リットル

※熱を発する機材の排熱も考慮にいれますが、その場合は簡易的にワットをリットルに変えて計算すれば良いです。

クーラーの必要冷却性能:120+9.2+54=183.2リットル < 300リットル

という事は、ゼンスイの ZR-75E はウチの水槽には充分な性能を持っているんだね!

ただし、実際には気温が30℃以上になる事もありますし、水槽 ~ 濾過装置 ~ クーラー ~ 水槽という配管(ホース)の水量も、また外部濾過器は揚水ポンプが付いてますが、それも少なからず排熱をしているわけで、その分も余力を持ったクーラーでないといけません。

換水に便利なひと工夫

分岐ジョイントとタップ

お魚を飼っていて一番面倒なのが換水、つまり飼育水の交換です。

昔は排水用のホースを口にくわえて飼育水を吸い込み、口に届く直前でホースを折り曲げて口から外し、急いでホースを下に向けてサイフォンの原理で排水するという職人芸みたいな事をやってました。

しかしこれだと、ウッカリすると飼育水を飲んでしまうんだよね!(笑)

という事で、水槽から外部濾過装置に向かうホースの途中に分岐ジョイントを設け、タップで水の流れる方向を変えれるようにしました。

分岐の片方が外部濾過装置、もう片方をホースがワンタッチで着脱出来るようにしておきました。

クーラーのメンテナンスに便利なひと工夫

エーハイムのダブルタップ

とても便利な製品で、たとえばクーラーをメンテナンスや修理などで水槽から外したい時、普通はクーラーに繋いでいるホースをソケットからいちいち引き抜かないといけません。

その時、濾過装置から来る吸水側のホースと、水槽に行く排水側のホース両方から水が溢れてしまいます。

ところが、このエーハイムのダブルタップを使っていたら、ダブルタップを全部『オフ』にしてあげれば、あとは2つのタップを繋いでいるロックナットを緩めてあげれば簡単に外れてくれるし、水漏れもしません。

水流ポンプ

水槽の中である程度の水流が無いと、ゴミなどが溜まる場所が出て来ます。

それでは衛生上に問題があるので、まんべんなく水流が届くように、水流ポンプも設置する事にしました。

ポンプ取り付けが大掛かり

この頃はマグネットで水槽に取り付けるなどという素敵な発想の製品は出ておらず、別途アクリル製のアダプターを水槽の上部フランジからぶら下げるようにして、それにパワーヘッドを取り付けるという、いかにもスマートという表現から遠くかけ離れているセットアップでした。

しかも、現在では水流ポンプと言えば、間欠運転が出来るのは当たり前として、そのリズムや水流の強弱まで自由自在にコントロール出来ますが、この頃はパワーヘッド、つまりただのポンプだったので、現在のような器用な運転が出来ませんでした。

ライブサンド・ライブロック・天然海水

水槽を早く立ち上げたかったので、底砂にはライブサンドを導入、ライブロックと天然海水も追加しました。

アドバンテージとディスアドバンテージ

安いので乾いた普通のサンゴ砂に、バクテリア剤を入れても良かったのですが、自然界のバクテリアが普通に棲んでいる砂・岩・水を使って、自然の状態に居る水槽内の世界を創りたかったんです。

アドバンテージ

自然界に居る何種類ものバクテリア達の占める割合は、それぞれの勢力争いの中で丁度よいバランスを取っているわけで、市販のバクテリア剤みたいに単一、もしくは限定された種類のバクテリアを入れるより、よっぽど自然に近い環境を創り出せるという事こそが、アドバンテージだと思います。

また、通常は水槽を立ち上げてから水槽内の環境が魚を受け入れる事が出来るまでに、通常2週間かかりますが、この方法だと1週間も要りません。

※産地の違う砂・岩・水ですから、バクテリアの勢力図も違うので、これがベストとは言えませんが、とどのつまり、「要は気の持ちようで!」という事です。(笑)

ディスアドバンテージ

単純に、金額が高い。

これがディスアドバンテージですが、上記のアドバンテージから受ける恩恵は測り知れず、金額面でのディスアドバンテージを補って余りあると思います。

その他

照明器具

今となってはどこのメーカーの製品だったか覚えてないですが、照明器具(当時は LED は無く、蛍光灯でした)も当然、用意しました。

現在では、照明器具を検証するのに、光のスペクトルを測って「どの波長が足らない!」などとシビアに評価したりしてますが、この頃は単純に明るく照らしてれば良かったです。(笑)

この辺、もう少し真面目に考えて欲しいよね

換水セット

また、換水時に慌てないように、人工海水の素や水質チェック用品、人工海水の撹拌・注水用として水中ポンプとバケツも忘れずに準備。

  • 人工海水の素:レッドシーソルト
  • 人工海水を作る容器:巨大ポリバケツ(120リットル)
  • 水中ポンプ:エーハイム コンパクトポンプ 1000
  • 比重計:ボーメ計
  • 水温計:デジタル水温計
  • 水質検査キット:テトラ テスト 6 in 1

水槽を立ち上げた

  • 水槽:鈴木製作所の60cm x 45cm x 45cm
  • 底面濾過:コトブキ工芸のボトムボックス
  • 外部濾過:エーハイムのプロフェッショナル3 2075
  • クーラー:ゼンスイの ZR-75E

上記装置を繋ぎ、ライブサンドを敷いてヒーターを入れ、ライブロックを設置し、天然海水を入れ、あとは1週間待って、水質を検査、大丈夫そうならパイロットフィッシュの導入となります。

まとめ

  • 海水魚飼育には、オーバーフロー水槽が最適
  • 通常、どの濾過装置も稚魚やプランクトンなど小さいものは吸水口から吸い込まれる
  • 底面濾過だけは稚魚やプランクトンを吸い込まない
  • 底面濾過だけではろ過能力が低いので、外部濾過も併用する
  • 分岐ジョイントとタップの活用で、換水が楽になる
  • エーハイムのプロフェッショナル3 2075は、メンテナンスが簡単
  • 水流ポンプは必要だが、間欠運転出来るものが望ましい
  • 自然な環境を創るため、ライブサンド・ライブロック・天然海水を使う
  • 水槽を立ち上げて1週間後、水質チェックの後、パイロットフィッシュ導入

以上、『海水魚飼育に底面濾過はマッチするかどうか、実際に立ち上げてみるにあたり、どんな準備をしたか?』についてご紹介させていただきました。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。