EK007-【海水魚飼育】クーラーが必要なワケと水槽別おすすめの機種の紹介!

海水魚を飼うとき、ヒーターが必要なのはおわかりになると思いますが、クーラーも必要になるのをご存知でしょうか?

「そりゃ魚だって快適に過ごしたいだろうけど、贅沢すぎない?」

なんて声が聞こえて来そうですが、真夏の締め切った部屋にある水槽の中で起こっている出来事が、魚にとってどれほど過酷な状況なのか知ったら、クーラーの必要性だって素直に認めるしか無いと思います。



人間と魚の体温調節法の違い

現代科学では否定された概念ですが、我々人間はご存知の通り『恒温動物』で、魚は一般的には『変温動物』です。

人間の体温調節法

人間を含む恒温動物は、上がり過ぎた体温を

・発汗による蒸発性熱放散
・触れた物への伝導
・触れてない物への放射
・体温で温められた空気による対流

によって下げる『放熱』が出来ます。

しかし、いくら積極的に体温を下げる事が出来ると言っても、周りの環境の温度が高すぎると放熱がうまくいかず、体温は上がっていってしまいます。

体温が35.5~37.5℃の範囲なら正常ですが、41℃を超えた所から生命の危険が始まると言われています。

個人差はありますが、体力がない人の場合、42℃に達すると、10時間程度で死亡するそうです。

更に、41~44℃になると暑熱障害が起き、44~45℃は『生存限界』の境界線で、それを超えると細胞のタンパク質が変性してしまい、一度変性したタンパク質は二度と元には戻りません。

つまり、体温が45℃を超えてしまったらもう、『生命維持は不可能』という事になります。

世界の観測史上最高気温は56.7℃

ちなみに、世界気象機関によると、公認された地球上での観測史上最高気温は、1913年7月10日、アメリカ合衆国カリフォルニア州の砂漠地帯にあるデスバレーのファーニスクリーク(グリーンランドランチ)で記録された56.7℃ だそうです(諸説あり)。

果たしてその環境のもとで、我々人間がある程度の時間、耐えられるのでしょうか?

人間の許せる気温

先にご説明させていただいた通り、体温が44~45℃を上回ったら『生命維持は不可能』ですが、放熱というのは周りの環境より体温が高い場合に出来る事なので、人間にとって耐えられる気温というのは43℃以下だと言えると思います。

また、そんな厳しい環境に居ると体力が落ちてきますので、もちろん個人差はありますが、40℃の気温でさえ、長時間では許されない温度と言えます。

つまり、人間は自分の体温より3~4℃高い気温が許せる限度と言えるでしょう。

魚の体温調節法

普通の魚は変温動物と言って、自発的に体温を調節する事が出来ず、周りの環境の温度によって体温が変わってしまいます。

サンゴ礁の水温は海域によって高い低いがあって25~30℃なのですが、年中問わず非常に安定しています。そして、熱帯の海水魚の体温もその水温とほぼ同じという事です。

人間は放熱出来るから体温より高い気温でも3~4℃ですが許せます。しかし魚は放熱出来ないので、基本的に自分が生まれ育った海域の海水温より高いのは許されないわけです。

採捕海域によって適水温が違う

たとえば沖縄など亜熱帯の海域の水温は25~28℃ですが、インドネシアなど熱帯の海域の水温は30℃から、地域によっては31℃という場所もあります。

チョウチョウウオは沖縄や東南アジア、紅海産のも居たりしますが、それなのに

「チョウチョウウオの適水温は25℃」

と断言されてる方がいらっしゃいます。

でもやはり採捕された場所の水温を維持するのが王道だと思います。

なので、ショップの店員さんに、どの海域で採れたのか、その海域の水温は何℃なのか、などを問い合わせることをおすすめします。

魚の都合だけではない

水温が上がると、他にも様々な問題が出て来ます。

バクテリアの死滅

濾過の主役となるバクテリアですが、魚以上に環境の変化に弱いです。

水温が上がりすぎると、濾過バクテリアが死滅してしまい、逆に腐敗菌が増殖し、食べ残しのエサやフンなどが腐敗する可能性があります。

そうなると当然、水質が悪化するし、イヤな臭いがすることもあるよ
溶存酸素量の低下

水温が上昇すると、海水の飽和溶存酸素量が減ります。

平たく言うと、水温が上がると、海水に溶けられる酸素が減ってしまうのです。

しかも、バクテリア・魚・水草などの生物の呼吸量が増えるので、それまでバランスの取れてた水槽内であっても、溶存酸素量が減り、生物の体調が悪くなる場合があります。

いわゆる『酸欠』状態になりやすくなる、ということです。

だから水温は下げすぎてもダメだけど上げすぎてもダメ

水温は出来る限り一定に保たないと水質は悪化しますし、酸欠になるし、魚も体調を崩すしで、我々が猛暑日の日中に締め切った部屋の中で、エアコン入れないで過ごすよりタフな状況になっている事はご想像いただけると思います。

そんな過酷な環境になるリスクに対し、体温調節の出来ない魚達にしてあげられる事は、我々人間側が積極的に一定水温を保つ努力をしてあげる、という事です。

クーラーいろいろ

クーラーの大切さはご理解いただけたと思いますが、具体的にどんなクーラーを用意すればよいでしょう?

ペルチェ式とチラー式

大まかに言って、小型水槽にはペルチェ式、大型水槽にはチラー式をおすすめします。

ペルチェ式

まず、この方式のクーラーに使われているペルチェ素子とその生い立ちについて簡単にご説明します。

ペルチェ素子

1821年、ドイツのゼーベック氏により『温度差により金属間に電流が流れる=ゼーベック効果』が発見され、それをもとに1834年、フランスの物理学者ジャン・シャルル・ペルチェが「2つの異なった金属間に直流の電流を流すと吸熱面や発熱面が出来、電流の流れを逆にするとその現象も逆になる」ことを発見しました。

この現象は『ペルチェ効果』と呼ばれ、それを利用した『ペルチェ素子』は、振動や騒音が無い事から自動車の車載用の保冷・保温ボックスやパソコンの CPU の冷却、ワインセラーなどにも使われています。

クーラー_ペルチェ式_2020.05.18

1)図中のセラミック基板 A ~セラミック基板 B の部分を『ペルチェ素子』といい、左下側の金属板に電流が流れると、電流は P 型半導体 A を通過し、上側にある金属板に流れます。

2)上側にある金属板はN型半導体 Aと繋がっており、電流は N 型半導体 A を通過して下側にある金属板に流れます。

3)その金属板は P 型半導体 B と繋がっており、電流は P 型半導体 B を通過し、上側にある金属板に流れます。

4)上側にある金属板は N 型半導体 B と繋がっており、電流は N 型半導体 B を通過して下側にある金属板に流れます。

こうやって電流が上に流れたり下に流れたりしているわけですが、電流の流れる方向が、P → N の場合は『吸熱』N → P の場合は『放熱』という作用が発生するので、上側の金属板は『吸熱』、下側の金属板は『放熱』をします。

金属板はセラミック基板と繋がっているので、セラミック基板 A は『吸熱』、セラミック基板 B は『放熱』をするという事になります。

ペルチェ式クーラーのアドバンテージ

これはなんと言っても、小型軽量で音が静かという所です。

チラー式は冷媒を圧縮するコンプレッサーが要るので、どうしても大掛かりな構造になりますし、実際にコンプレッサーが動くと、かなりうるさいです。

その点、ペルチェ式は極端な話、ペルチェ素子とファンさえあれば済むので単純な構造ですし、音も静かです。

ペルチェ式クーラーのディスアドバンテージ

良いことずくめなように聞こえるペルチェ式クーラーですが、致命的なディスアドバンテージがあります。

よく、ペルチェ式クーラーを売り込みたいメーカーさんは、「フロンなどの冷媒を使った空調システムと違い、オゾン破壊や地球温暖化には影響せず、地球環境にやさしい冷却方法」と謳っていますが、この方式の最大のディスアドバンテージである、圧倒的に低い冷却性能についてあまり強く説明していない所が難点ですね。

期待する冷却性能を得るために、小型ながら驚くほど電力を消費するのです。

ですから、大型水槽のように超強力な冷却能力を要求する場合は、ペルチェ式クーラーは選択肢に入りません。

チラー式

クーラー_冷媒式_2020.05.18

チラー式とは、冷媒ガスを装置内で循環させて冷却するタイプで、構造は単純化すると、

1)コンプレッサー
2)熱交換器 – A
3)膨張弁
4)熱交換器 – B

の間を、冷媒ガスがグルグルと循環する事によって海水を冷やします。

1)冷媒ガスが図中左側にあるコンプレッサーで圧縮されると、高温高圧の冷媒ガス(気体)になります。その後、冷媒ガスは熱交換器 – A に行きます。

2)冷媒ガスが熱交換器 – A で、間接的にですが空気に触れると、冷媒ガスの熱が空気に移るので、冷媒ガスの温度は下がって凝縮し、液体になります。温度の下がった冷媒液(液体)は膨張弁に向かいます。

3)冷媒液は膨張弁を通過すると急激に膨張するため、温度と圧力が下がります。低温低圧の冷媒液(液体)は熱交換器 – B に行きます。

4)冷媒液は熱交換器 – B で、間接的にですが海水に触れると、海水の熱が冷媒液に移るので、冷媒液の温度は上がって蒸発し、気体になります。

温度の上がった冷媒ガス(気体)がコンプレッサーに行く事によって、1)~4)が繰り返されます。

家庭用のエアコンもこの原理を使っていますが、現在の所、この方式を超える冷却方法はありません。

チラー式クーラーのアドバンテージ

これはなんと言っても、冷却性能です。

ペルチェ式で同じ性能を出そうとしたら、チラー式クーラーより大きくなってしまいます。

チラー式クーラーのディスアドバンテージ

大きさの割に、ペルチェ式クーラーより性能は高いのですが、やはり大きさがネックになってきます。

そして、構造的に仕方ないですが、コンプレッサーの作動音がうるさいのも嫌われる要因になっています。

寝室に置くのはムリっぽいよ~!

この問題はクーラーを屋内ではなく、屋外に設置することで解決出来ますが、大掛かりになりますので、小型水槽で手軽に始めたい方には大きなハードルとなってしまいますね。

メーカー各社のクーラー性能・価格の比較

ペルチェ式・チラー式の違いと、屋内・屋外設置についてご説明しましたので、次にメーカー各社の製品を比較してみたいと思います。

冷却方式 メーカー 製品名 冷却水量 消費電力
(50Hz/60Hz)
価格
ペルチェ テトラ クールタワー CR-1 20L 70W/70W ¥10,000
ペルチェ テトラ クールタワー CR-2 40L 140W/140W ¥15,000
ペルチェ テトラ クールタワー CR-3 60L 245W/245W ¥17,000
ペルチェ ゼンスイ TEGARU 60L 75W/75W ¥29,000
チラー式 ゼンスイ ZC-100α 100L 95W/112W ¥40,000
チラー式 TECO TK150 120L 160W/175W ¥65,000
チラー式 ニッソー アクアクーラースリム 202 160L 145W/160W ¥40,000
チラー式 ゼンスイ ZR-mini 180L 140W/160W ¥43,000
チラー式 ゼンスイ ZC-200α 200L 187W/210W ¥57,000
チラー式 テトラ クールパワーボックス CPX-75 200L 150W/170W ¥31,000
チラー式 ジェックス クールウェイ BK110 200L 155W/180W ¥34,000
チラー式 ゼンスイ ZR-75E 300L 200W/220W ¥45,000
チラー式 ニッソー アクアクーラースリム 402 300L 220W/260W ¥53,000
チラー式 ジェックス クールウェイ BK210 350L 200W/220W ¥41,000
チラー式 TECO TK500 400L 160W/200W ¥90,000
チラー式 ゼンスイ ZC-500α 450L 154W/177W ¥104,000
チラー式 ゼンスイ ZR-130E 500L 320W/350W ¥60,000
チラー式 イワキ LX-120EXA1 500L 240W/265W ¥120,000
チラー式 ゼンスイ ZC-700α 650L 217W/234W ¥128,000
チラー式 ゼンスイ ZR-180E 700L 400W/450W ¥69,000
チラー式 イワキ LX-180EXA1 700L 300W/325W ¥135,000
チラー式 ジェックス クールウェイ BK410 700L 270W/330W ¥61,000
チラー式 TECO TK1000 800L 270W/330W ¥115,000
チラー式 ゼンスイ ZC-1000α 950L 315W/360W ¥148,000
チラー式 ゼンスイ ZR-250E 1000L 480W/520W ¥75,000
チラー式 イワキ LX-250ESA1 1000L 435W/500W ¥155,000
チラー式 ゼンスイ ZC-1300α 1300L 553W/607W ¥173,000
チラー式 イワキ LX-300ESB1 1500L 525W/605W ¥210,000
チラー式 TECO TK2000 1600L 360W/400W ¥155,000
チラー式 ゼンスイ ZRC-400B 2000L 550W/635W ¥163,000
チラー式 ゼンスイ 400CL 2000L 480W/550W ¥330,000
チラー式 ゼンスイ ZRW400 2000L 480W/540W ¥156,000
チラー式 ゼンスイ KDA501A 2000L 580W/650W ¥218,000
チラー式 ゼンスイ 600CL 2500L 620W/700W ¥453,000

この表はメーカー各社の機種を冷却水量順に並べたものです。

クーラーの冷却性能を比較検証するとき、同じか出来るだけ近い条件で比較するのが良いので、クーラーの周辺温度が30℃の時、水温を25℃に下げれる水量を比較してます。
(真夏日に締め切った部屋の場合などの特殊な条件でも、どの機種も同じように対応水量が少なくなる事を念頭に入れて検証すれば問題ありません)

そしてこの表をもとに、

1)冷却水量1リットルあたりの価格
2)1年分の電気代
3)総合評価:上記1)+2)

を計算してみたので、それも参考にご覧ください。
※ 1日8時間稼働、1kW=25円で計算。
※ 実際の消費電力量は運転・停止の回数や設定温度などの使用条件によって変わってきますので、あくまで参考程度とご理解ください。

小型水槽(冷却水量:~60リットルまで)

冷却方式 メーカー 製品名 冷却水量 消費電力
(50Hz/
60Hz)
価格(¥) 冷却水量1Lあたりの価格 1年分の電気代
(50Hz/
60Hz)
総合評価
(50Hz/
60Hz)
ペルチェ テトラ クールタワー CR-1 20L 70W/
70W
10,000 ¥500 ¥5,110/
¥5,110
¥5,610/
¥5,610
ペルチェ テトラ クールタワー CR-2 40L 140W/
140W
15,000 ¥375 ¥10,220/
¥10,220
¥10,595/
¥10,595
ペルチェ テトラ クールタワー CR-3 60L 245W/
245W
17,000 ¥283 ¥17,885/
¥17,885
¥18,168/
¥18,168
ペルチェ ゼンスイ TEGARU 60L 75W/
75W
29,000 ¥483 ¥5,475/
¥5,475
¥5,958/
¥5,958

カタログデータ上の話ですが、このような小型水槽には『ペルチェ式』が活躍します。

水量20リットル水槽

初期投資として、各機種の価格から見た場合、水量20リットルの水槽にはテトラというメーカーの出している『クールタワー CR-1』となります。

テトラクールタワーCR-1

価格が安いため、初期投資の額だけを考えると、このクラスの水槽にはこの機種を選びたいところですが、水量1リットルあたりの価格で見ると500円で、意外とコスパが良くないです。

消費電力が70W と、意外と電気を喰います。

これらを総合的に評価する方法として、水量1リットルあたりの価格(コスパ)と、1年分の消費電気代を足したもので比べてみようと思います。

すると、テトラのクールタワー CR-1 の総合評価は5610円という数字になります。

水量40リットル水槽

テトラクールタワーCR-240リットルの水槽にはテトラの『クールタワー CR-2』が合いそうですね。

ではさっそく、20リットル水槽の欄でご説明させていただいた考え方で総合評価してみましょう。

まず最初に、コスパ(水量1リットルあたりの価格)が375円となります。対応水量がクールタワー CR-1 の2倍なのに価格が1.5倍ですから当然ですが、まずまずですね!

ところが、消費電力は140W という可愛くない数字ですので、1年分の消費電気代は10,220円となってしまいます。

クールタワー CR-1 の2台分の水量に対応するため、中身も2台分使っているようですね。

それで価格が1.5倍ですからお買い得と言えそうですが、この140W という数字は小型水槽用の器材としては電力喰い過ぎだと思います。

結局、テトラのクールタワー CR-2 の総合評価は10,595円という数字になります。

水量60リットル水槽

60リットルの水槽の場合はテトラの『クールタワー CR-3』かゼンスイの『TEGARU』の二択ですが、まずテトラのクールタワー CR-3 を検証してみましょう。

クールタワー CR-3 を検証する

テトラクールタワーCR-3コスパ(水量1リットルあたりの価格)は283円

これは圧倒的に激安と言える額ですね!

クールタワー CR-1 の1.7倍の価格で3倍の水量に対応しているのですから、この結果は当然でしょう。

ところが、消費電力が245W もあるので、1年分の消費電気代は17,885円となってしまいます。

見た目にもクールタワー CR-1 が3台、縦に連結しただけに見えますが、クールタワー CR-1 の消費電力が70W ですから、実際にはその3倍以上の245W もの消費電力ですから、単純にクールタワー CR-1 を3台、縦に連結しただけで無く、何か内部損失を補う工夫がされているようです。

この『省電力性能の低さ』のせいで、テトラのクールタワー CR-3の総合評価は18,168円という数字になってしまいます。

製造元のテトラ社としては、クールタワー CR-1の3台分のペルチェ素子と、内部損失を補う工夫もつぎ込んでお値段たったの1.7倍で抑えているのですから、「お買い得でしょ?」と言いたい所だとは思いますが、消費電力を見るとそのアドバンテージが霞んで見えてしまいます。

TEGARU を検証する

次に、ゼンスイの『TEGARU』を検証してみましょう。

TEGARU_3コスパ(水量1リットルあたりの価格)は483円

クールタワー CR-3 より価格が10,000円以上高いのが響いてしまってますが、クールタワーCR-1 よりは良い数字ですし、まぁまぁと言えると思います。

特筆すべきは、消費電力がたったの75W しか無いので、1年分の消費電気代は5,475円となります。

この『省電力性能』のおかげで、ゼンスイの TEGARU の総合評価は5,958円という数字になります。

圧倒的にクールタワー CR-3 より良いですね。

しかも、TEGARU は加温機能もあるので、ヒーターが要らず、水槽内にヒーターが無いのでスッキリ出来るのも大きなアドバンテージとなってきます。

小型水槽には TEGARU がおすすめ

ペルチェ式は、冷却性能が周りの温度に強く影響を受けるので、真夏日の暑さでも確実に冷却してくれる事を期待するとなると、1クラス上のモデルを使ったほうが安心です。

正直な話、60リットル水槽の場合は安心出来るペルチェ式クーラーは有りませんが、ギリギリの線でゼンスイ社の TEGARU がおすすめと言っていいと思います。

もし冷却性能が不足と感じたら、あとはファンで補うか、水槽の置き場所を変えてみるしか無いでしょう。

もしくは、チラー式のクーラーに替える事も検討する必要があるかもしれませんが、その場合はヒーターが水槽内に入って来るので、景観が犠牲になってしまうことも否めません。

中型水槽(冷却水量:100~160リットルまで)

冷却方式 メーカー 製品名 冷却水量 消費電力
(50Hz/
60Hz)
価格(¥) 冷却水量1Lあたりの価格 1年分の電気代
(50Hz/
60Hz)
総合評価
(50Hz/
60Hz)
チラー式 ゼンスイ ZC-100α 100L 95W/
112W
40,000 ¥400 ¥6,935/¥8,176 ¥7,335/¥8,576
チラー式 TECO TK150 120L 160W/
175W
65,000 ¥542 ¥11,680/
¥12,775
¥12,222/
¥13,317
チラー式 ニッソー アクアクーラースリム 202 160L 145W/
160W
40,000 ¥250 ¥10,585/
¥11,680
¥10,835/
¥11,930

このクラスの水槽となると、もうペルチェ式では対応出来ず、チラー式しか選択肢がありません。

そして水量によって細かく棲み分けが出来ています。

国産のクーラーは安い

一般的に、価格で見ると国産のクーラーが安いですが、ゼンスイの『ZC-100α』とニッソーの『アクアクーラースリム202』が同価格帯です。

ニッソーアクアクーラースリム202結論から言ってしまうと、その中でも対応水量が多いニッソーの『アクアクーラースリム202』がお買い得です。

コスパ(水量1リットルあたりの価格)は、ZC-100αが400円なのに対し、アクアクーラースリム202は250円と、圧倒的に良いです。

一方、消費電力は ZC-100αが95W / 112W なのに対し、アクアクーラースリム202が145W / 160W なので、1年分の消費電気代は6,935円 / 8,176円に対して10,585円 / 11,680円となり、3,000円以上も電気代がかかってしまう計算になります。

しかし実際は、同じ条件で運転した場合、アクアクーラースリム202の方が、ZC-100αより冷却性能が高く稼働時間が短くて済むので、実際のアクアクーラースリム202の電気代は、上記の単純計算の結果より安くなります。

そしてより過酷な条件となった場合、稼働時間が伸びるだけで済みますので、ゼンスイの ZC-100αではギリギリの設定でも、ニッソーのアクアクーラースリム202だと余裕があると言えます。

中型水槽にはアクアクーラースリム202がおすすめ

この水量の水槽でしたら、ニッソーのアクアクーラースリム202がおすすめです。

あまり極端な環境(たとえば、エアコンを切った状態の締め切った室内で、直射日光が部屋の中に降り注ぐ、など)でなければ、160リットルの水量までであればこのクラスのクーラーでも大丈夫です。

しかし、160リットル(90cmx45cmx45cm)の水槽で、ゼンスイの ZR-75E(対応水量300リットル)を使って「ちょうど良かった」という感想を持ってますので、予算の許す限り、かなり余裕を見ても良いと思います。

大型水槽(冷却水量:160リットル以上)

冷却方式 メーカー 製品名 冷却水量 消費電力
(50Hz/60Hz)
価格(¥) 冷却水量1Lあたりの価格 1年分の電気代
(50Hz/60Hz)
総合評価
(50Hz/60Hz)
チラー式 ゼンスイ ZR-mini 180L 140W/
160W
43,000 ¥239 ¥10,220/
¥11,680
¥10,459/
¥11,919
チラー式 ゼンスイ ZC-200α 200L 187W/
210W
57,000 ¥285 ¥13,651/
¥15,330
¥13,936/
¥15,615
チラー式 テトラ クールパワーボックス CPX-75 200L 150W/
170W
31,000 ¥155 ¥10,950/
¥12,410
¥11,105/
¥12,565
チラー式 ジェックス クールウェイ BK110 200L 155W/
180W
34,000 ¥170 ¥11,315/
¥13,140
¥11,485/
¥13,310
チラー式 ゼンスイ ZR-75E 300L 200W/
220W
45,000 ¥150 ¥14,600/
¥16,060
¥14,750/
¥16,210
チラー式 ニッソー アクアクーラースリム 402 300L 220W/
260W
53,000 ¥177 ¥16,060/
¥18,980
¥16,237/
¥19,157
チラー式 ジェックス クールウェイ BK210 350L 200W/
220W
41,000 ¥117 ¥14,600/
¥16,060
¥14,717/
¥16,177
チラー式 TECO TK500 400L 160W/
200W
90,000 ¥225 ¥11,680/
¥14,600
¥11,905/
¥14,825
チラー式 ゼンスイ ZC-500α 450L 154W/
177W
104,000 ¥231 ¥11,242/
¥12,921
¥11,473/
¥13,152
チラー式 ゼンスイ ZR-130E 500L 320W/
350W
60,000 ¥120 ¥23,360/
¥25,550
¥23,480/
¥25,670
チラー式 イワキ LX-120EXA1 500L 240W/
265W
120,000 ¥240 ¥17,520/
¥19,345
¥17,760/
¥19,585
チラー式 ゼンスイ ZC-700α 650L 217W/
234W
128,000 ¥197 ¥15,841/
¥17,082
¥16,038/
¥17,279
チラー式 ゼンスイ ZR-180E 700L 400W/
450W
69,000 ¥99 ¥29,200/
¥32,850
¥29,299/
¥32,949
チラー式 イワキ LX-180EXA1 700L 300W/
325W
135,000 ¥193 ¥21,900/
¥23,725
¥22,093/
¥23,918
チラー式 ジェックス クールウェイ BK410 700L 270W/
330W
61,000 ¥87 ¥19,710/
¥24,090
¥19,797/
¥24,177
チラー式 TECO TK1000 800L 270W/
330W
115,000 ¥144 ¥19,710/
¥24,090
¥19,854/
¥24,234
チラー式 ゼンスイ ZC-1000α 950L 315W/
360W
148,000 ¥156 ¥22,995/
¥26,280
¥23,151/
¥26,436
チラー式 ゼンスイ ZR-250E 1,000L 480W/
520W
75,000 ¥75 ¥35,040/
¥37,960
¥35,115/
¥38,035
チラー式 イワキ LX-250ESA1 1,000L 435W/
500W
155,000 ¥155 ¥31,755/
¥36,500
¥31,910/
¥36,655
チラー式 ゼンスイ ZC-1300α 1,300L 553W/
607W
173,000 ¥133 ¥40,369/
¥44,311
¥40,502/
¥44,444
チラー式 イワキ LX-300ESB1 1,500L 525W/
605W
210,000 ¥140 ¥38,325/
¥44,165
¥38,465/
¥44,305
チラー式 TECO TK2000 1,600L 360W/
400W
155,000 ¥97 ¥26,280/
¥29,200
¥26,377/
¥29,297
チラー式 ゼンスイ ZRC-400B 2,000L 550W/
635W
163,000 ¥82 ¥40,150/
¥46,355
¥40,232/
¥46,437
チラー式 ゼンスイ 400CL 2,000L 480W/
550W
330,000 ¥165 ¥35,040/
¥40,150
¥35,205/
¥40,315
チラー式 ゼンスイ ZRW400 2,000L 480W/
540W
156,000 ¥78 ¥35,040/
¥39,420
¥35,118/
¥39,498
チラー式 ゼンスイ KDA501A 2,000L 580W/
650W
218,000 ¥109 ¥42,340/
¥47,450
¥42,449/
¥47,559
チラー式 ゼンスイ 600CL 2,500L 620W/
700W
453,000 ¥181 ¥45,260/
¥51,100
¥45,441/
¥51,281

中型水槽のまとめの部分で、160リットルの水槽に、対応水量300リットルのクーラーが「ちょうど良かった」と説明させていただきましたが、メーカーさんが謳う『対応水量』に対し、経験的に約半分の水量の水槽が「ちょうど良い」と思います。

その考え方で、ご自身のお使いになる水槽の水量を2倍にした対応水量の機種の中からコスパや1年分の消費電気代を考慮に入れて選べば問題無いです。

240リットル水槽(120cmx45cmx45cm)の場合

たとえば、240リットル水槽(120cmx45cmx45cm)の場合を例にとってみます。

・対応水量:240x2=480リットル

ですので、

・ゼンスイの『ZR-130E』か、もしくはイワキの『LX-120EXA1』

のどちらかが候補に挙がります。

ZR-130E は、LX-120EXA1 の約半分の価格なので、コスパは非常に良いです。

・ゼンスイの ZR-130E:120円
・イワキの LX-120EXA1:240円

ですが、消費電力で見ると、

・ゼンスイの ZR-130E:240W / 265W → 年間23,360円 / 25,550円
・イワキの LX-120EXA1:217W / 234W → 年間17,520円 / 17,760円

という事で、電気代では年間約6,000円の違いがあります。

価格差が約60,000円ですが、もしクーラーを10年間使うのであれば、イワキの LX-120EXA1 の方がお買い得と言えそうです。

しかし、実際にはクーラーも古くなってくると性能も落ちてくるので、10年経つ前に買い替える事になると考えると、初期投資の少なくて済む、ゼンスイの ZR-130E がおすすめという事になります。

まとめ

今回はクーラーの必要性とその方式について細かくご紹介させていただきましたが、まとめると、

1)海水魚が快適に過ごせる環境維持をだいいちに考えること。
※ エアコンを常時稼働させるなどして、水槽を設置する部屋の気温が確実に、絶えず海水魚が快適に過ごせる気温を維持出来る場合を除き、クーラーの設置が必須です。

2)小型水槽にはペルチェ式、中・大型水槽にはチラー式がおすすめ。
※ ただし、ペルチェ式は意外と消費電力が多いので、ある程度の水量の場合はチラー式を選択する方が良い場合もある。

3)クーラー選びのコツは、実際の水槽の水量の2倍にあたる『対応水量』で選ぶこと。
※ メーカーによって仕様表記された消費電力をもとに、1年分の消費電気代も考慮にいれると損は無い。

以上、『クーラーが必要な理由と、水槽別におすすめ出来る機種の選び方』について述べさせていただきました。

最後まで読んでくださりありがとうございます。